2026.04.24[L戸田]ラグビーが連れてきてくれた、自分らしくいられる場所。特別な相手に向ける闘志

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第13節
2026年4月26日(日)12:00 AGFフィールド (東京都)
ヤクルトレビンズ戸田 vs クリタウォーターガッシュ昭島

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

ヤクルトレビンズ戸田のアントニオ・ミカエリトゥ選手。三菱重工相模原ダイナボアーズのマリノ・ミカエリ=トゥウ選手は双子の弟

今節、ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)はクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)とのホストゲームを迎える。

相手はアントニオ・ミカエリトゥにとって特別なチームだ。2022年に来日し、WG昭島で2シーズンを過ごした。ニュージーランド出身で双子の兄弟のような存在であるテアレキ・ベンニコラスや、かつて一緒にプレーした仲間たちがまだ多く在籍する古巣戦となる。

「いつも一番楽しみにしているし、一番勝ちたいゲームです」

今季、L戸田はWG昭島に2勝しており、狙うは3戦全勝のコンプリートだ。

ミカエリトゥが初めて日本に来たのは2018年。ニュージーランドの大学でプレーしていた当時、3週間の短期滞在で日本を訪れた。その経験が人生を変えた。

「日本の食事も文化もすごく好きでした。特に、他者を尊重する姿勢やリスペクトの文化が、サモアの風土に似ていると感じたんです」

ニュージーランド生まれながら、自身のルーツであるサモアの伝統的な価値観である家族の絆やコミュニティへの敬意を大切にして育ってきた彼にとって、日本での暮らしは自然と心に馴染んだ。

「日本にいると、自分自身でいられるんです。他人が何をしているかをあまり気にせず、自分のことに集中できる。それがすごく心地いい」

現在は戸田を拠点に、静かな街並みと新宿・渋谷へのアクセスの良さを満喫。オフの日にはカフェで仲間と過ごしたり、オンラインで日本語のレッスンを受けたりと、日本に根を張るための努力も続けている。三菱重工相模原ダイナボアーズに所属する双子の弟、マリノとは週に1回、必ず顔を合わせる。何よりも心が安らぐ大切な時間だ。

5歳からラグビーを続け、いまも家族全員がラグビーに関わる彼にとって、ラグビーは単なるスポーツではない。

「ラグビーが僕を日本に連れてきてくれた。ラグビーは僕の人生の一部であり、家族の大きな一部でもある。だからこそ、いまはすごく幸せです」

インタビュー中、何度も口にしたのは「ずっと日本にいたい」「ラグビーをできるだけ長く続けたい」という言葉。体が許す限り、日本でプレーを続けたい──その思いはとても純粋で、温かい。

WG昭島戦に向けての意気込みを聞くと、彼は少し照れくさそうに微笑みながら言った。

「絶対に勝ちますよ。毎回言っていますけどね」

サモアの血を引く優しい笑顔の奥に、静かな闘志が宿っている。日本という国と出会い、ラグビーを通じて得た「自分らしさ」と「幸せ」。アントニオ・ミカエリトゥは、いままさにその両方を胸に、グラウンドに立っている。

(鈴木康浩)

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