NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第11節
2026年4月5日(日)13:00 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
狭山セコムラガッツ vs ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田(D3)
数年前、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)を退団せざるを得なくなったとき、大石力也は大きく逡巡した。ラグビーを続けたい気持ちは強く残っていたが、次のチームが見つからない。引退という二文字が何度も頭をよぎった。
そんな折、自身の結婚式に駆け付けてくれた堀川太一がキラキラした瞳で笑いながら言った。
「だったら、レビンズで一緒にやろうよ」
堀川は、小学生のころにラグビーに誘ってくれた恩人だ。中学を卒業するころには、鈴木秀明(その後コカ・コーラレッドスパークスでプレー)らと「岡谷工業で一緒に花園を目指そうぜ」と意気投合した、青春の仲間でもある。数年ぶりの再会で、大石の胸の奥に、懐かしいエネルギーが湧き上がった。GR東葛でのラストシーズンはけが明けで思うようにプレーできず、大きな悔いを抱えたままだっただけに、この誘いは心に響いた。
「最初は、太一がいるし、もう一度一緒にラグビーが楽しめる、くらいに思っていたんです」
大石は柔らかい笑みを浮かべてそう振り返る。
7人制日本代表にも選ばれた経験を持ち、リーグワンでのプレー実績もある大石は、家族のいる平塚から練習場のある戸田まで2時間弱の道程を毎日通い始めた。練習は夜の河川敷。何もかもが異なる環境だったが、そこには「ラグビーが好きだから」というシンプルな情熱で懸命に取り組む仲間たちの姿があった。3年前、秩父宮ラグビー場での決戦で優勝をつかみ、リーグワン参入を決めた瞬間。仲間たちと抱き合ったあの感触は大石にとって一生の宝物だ。
自分をヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)に誘ってくれた堀川が昨季限りで引退すると聞いたときは、寂しさもよぎった。それでも、堀川より1日でも長くラグビーを続けること、一度は終わりかけていた自分を受け入れてくれたこのチームのためにプレーすること──それが、最大の恩返しになると心に決めている。
L戸田に来て、大石はあらためて「ラグビーを楽しむこと」の大切さを噛みしめている。
「いまのL戸田は苦しい試合も多いし、やっぱり勝たないと本当の楽しさは味わえない。だから厳しさも必要だけど、だからと言って細かいミスを責めるより『次、行こうよ』とできるだけ前向きな声を掛けて、ポジティブな空気を作っていきたいです」
1分1秒、ラグビーを心から楽しむ。だから勇気を与えられる──。大石力也はその思いを胸に、L戸田を前へ、前へと押し進めていく。
(鈴木康浩)



























