NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2025年3月15日(土)14:00 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ
埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

今季も無敗で首位を走っている埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は、リーグワン創設からの過去3シーズンすべてでプレーオフトーナメント決勝に進出しているチーム。今季好調で4位につける静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)にとっても高い壁だが、個人スタッツではリーグ上位にいる選手が静岡BRには多い。
たとえば、昨季のトライランキング1位のマロ・ツイタマは、ゲインメーター(ボールを持ってゲインラインを越えてプレーした距離)で1位、トライ数では2位タイと、昨季と変わらぬ活躍を見せている。

さらにもう一人、スタッツが輝く選手がいる。トンガ代表9キャップを保持するヴィリアミ・タヒトゥアだ。今季はボールキャリー(ボールを持ってプレーをした回数)が1位、ディフェンス突破(ボールを持った選手がディフェンスの選手をかわす、倒すなどして突破した回数)が2位タイ。特にボールキャリーは2位に大差を付けている。
静岡BRの攻撃はスクラムハーフやスタンドオフからタヒトゥアにボールを預けて始まることが非常に多い。そしてボールを受けた彼のファーストチョイスは、何より縦への突進だ。それは相手も理解しており2人、あるいは3人で止めに来るが、タックルを受けても2~3mはグイグイと進んでゲインを稼ぐ。「チームのためにハードワークすることが自分の仕事だと思っていますし、自分がボールに絡めば絡むほどチームにとって効果的なことができると思っています」とタヒトゥア。そのパワーがディフェンス突破の数の多さにもつながっている。
スクラムハーフの北村瞬太郎は、次のように証言する。
「僕らハーフ陣の中では、迷ったら(預けるのは)ヴィリー(タヒトゥアの愛称)というのはあります。彼に当てたら絶対にモメンタム(勢い)が作れますし、そこを起点にして仕切り直しもできる。そのままチャンスになることも多いので、助かるどころかプラスになって返ってくる。おつりをくれるような存在だと思います」
今節の埼玉WK戦を展望した中で北村が語った「フィジカルならウチのほうが強いと思う」という言葉は、先陣を切って突進を繰り返すタヒトゥアらを指す。組織的で堅固な埼玉WKの守りを崩すためにも、来日10年目、静岡BR一筋でチームの先陣を担い続けてきたタヒトゥアが果たす役割は非常に大きいはずだ。
(前島芳雄)