2025.03.27[RH大阪]成長のために勇気ある決断。アイルランドから来た好漢が日本で築く絆

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第10節
2025年3月29日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪(D2)

今節もNo.8で先発するレッドハリケーンズ大阪のジャック・オーサリバン選手

3月は4連戦となっていたレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)。3試合連続で、今節もナンバーエイトの先発にはジャック・オーサリバンが入る。第5節と第6節は負傷で出場できなかったが、今季のニューカマーは開幕戦からずっとチームに貢献している。

オーサリバンは、アイルランドのコーク出身。2018年にはU20アイルランド代表に参加し、2019年から昨季までは、子供のころからずっと見ていたマンスターでプレーした。さらなる成長を求めたときに環境の変化が必要だと感じたというが、マンスターをとても愛していたのだろう。国内で環境を変えると「ライバルチームでプレーすることになる」ので、「いろいろな人からとても良い環境だと聞いていた」日本でのプレーを決めた。

同じアイルランド出身選手からの助言もあったという。ジャパンラグビー トップリーグ2020シーズンではパナソニック ワイルドナイツでプレー。その後、一旦は母国に帰国したが、今季から再び日本に戻ってきてクリタウォーターガッシュ昭島に加入したハリソン・ブリューワーだ。RH大阪(当時はNTTドコモレッドハリケーンズ)でも、ジャパンラグビー トップチャレンジリーグ2018-2019シーズンにプレーした。「彼からRH大阪はとても良いチームだということを聞いていた」こと、RH大阪がちょうどサードローの選手を探していたことで、加入に至っている。

姉はすでに実家を出ていたが、両親と妹と弟がいるにぎやかな家庭だった。日本までアイルランドからは、乗り継ぎ便を利用して15時間ほど掛かる。時差も9時間。初めて一人暮らしをするには、かなり勇気ある決断だ。それだけ成長したい意志も強かった。

すっかりチームに馴染み、グラウンド外でもほかの選手たちと楽しそうにしている様子もある。アイルランドに比べればサイズの小さい選手が多い日本のラグビーをよく学び、順応している。冗談交じりではあるが「いずれヤニー(矢野樹)のように低く突き刺さるようなタックルもするかもしれないですよ」と話すほど、日本での新鮮な刺激から学んで成長していくことを楽しんでいるようだ。

変化した環境の下、充実したシーズンを送っている。「みんなと一緒にラグビーをする時間を過ごし、時には冗談を交わしながら、1週間1週間を積み上げていく。その中で築く絆が、ラグビーを楽しめるものにしてくれる」と語っていた。シーズンの残り半分も引き続き、アイルランドで鍛えたフィジカルを生かし、絆を築いたチームにエナジーを与えていく。

(前田カオリ)

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