2025.04.03[三重H]共鳴した、戦士のリーダーシップ。“ミスターヒート”が選手と観客の心に火を付ける

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月5日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
東京サントリーサンゴリアス vs 三重ホンダヒート

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスB)

今節またゲームキャプテンを務める小林亮太選手。「いま、チームは少し厳しい立場にあります。この試合が重要であることを全員が理解しています」

3月30日、北海道の大和ハウス プレミストドームで行われた東芝ブレイブルーパス東京とのビジターゲームで、三重ホンダヒート(以下、三重H)は21対59で敗れた。

「ドーム独特の反響があり、熱気を感じる舞台でした。遠くから観に来てくれたファンに勝利を届けられなかったことが残念です」

両手両足のテーピングを丁寧に外しつつ、小林亮太は振り返る。この試合の前にパブロ・マテーラがけがで離脱したため、在籍12年目を迎える三重Hの象徴“ミスターヒート”が先週末のゲームキャプテンを任された。

2月16日に行われた第8節・三菱重工相模原ダイナボアーズ戦で勝利したあと、マテーラと小林はお互いに「ウォリアー(戦士)」と称え合った。この二人の間で役割が引き継がれたとき、どのような対話があったのだろうか。

「パブロとはよくラグビーの話をしますが、今回は特に何もありませんでした。リーダーシップの考え方が似ているんです。彼もそう感じてくれていて、『君がやりたいようにやるべきだ』ということだったのだと思います」

二人の戦士の間には、言葉を交わさずとも伝わる信頼感があった。リーダーを託された小林は「誰かにやらされているものではないですし、自分のスタイルと言葉でみんなを引っ張るのが大事だと思います。選手の気持ちに火を付けられる言動をしていきたいです」と語る。

次に三重Hが迎えるのは、4月5日14時30分から行われる東京サントリーサンゴリアス戦。会場は聖地・東大阪市花園ラグビー場だ。奈良県出身の小林にとっては特別な場所かと思いきや、実はほとんど縁がなかったという。

「天理高校の1年生のときに全国大会に出場しましたが、僕はベンチにも入れませんでした。プレーできるようになった2、3年生のときはチームが全国大会に出られませんでした。近畿大学時代には近くにあり過ぎて、馴染みはあるものの、特別な思いはあまりないんですよね」

「それは、平常心でプレーできるということですよね?」と尋ねると、小林は微笑みながら「ある意味ではそうですね!」と答えた。

「いま、チームは少し厳しい立場にあります。この試合が重要であることを全員が理解しています。来てくださるファンの方々に『ヒート』してもらえるような熱い試合を見せたい。結果にこだわって、絶対に勝つというマインドセットで挑みたいと思います」

ディビジョン1残留に向けて、1試合も無駄にできない三重H。勝利を誓った“ミスターヒート”が、関西の聖地でファンを熱狂させてくれるはずだ。

(籠信明)

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