NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月11日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
三重ホンダヒート vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ
三重ホンダヒート(D1 カンファレンスB)

「チームが試合に勝っても、僕は悔しい気持ちが強かった」
三重ホンダヒート(以下、三重H)の呉洸太は、序盤戦を振り返ってそう語った。昨季はシーズンをとおして試合に絡んだが、今季はポジションが重なるマヌ・ヴニポラや中尾隼太が加入した影響もあり、開幕からはなかなかメンバーに入れず。ライバルとともに練習する中、彼は複雑な思いを抱いていた。
「悔しさの反面、『僕は負けている』という実感もあったんです。二人とも経験豊富ですし、プレーも上手でした。ただ、時間が経つにつれて試合に出たいという思いが強くなり、チームが勝っても悔しさのほうが大きくなりました」
今季初めて公式戦のグラウンドに立った第8節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦が転機となる。試合終了間際、呉は勝利をもたらすコンバージョンゴールを決める活躍を見せ、そのあとはすべての試合で起用されるようになった。V字回復の理由について尋ねると、こう語った。
「出場できない間は、自分に向き合う機会が増えました。メンバー外でのトレーニングや自主練習のとき、僕に何が足りないのかを考えたんです。ある意味ではリラックスできる期間でしたし、自分に集中できました。それが大きな要因だと思います」
今節、三重Hは、11日(金)の19時から埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)とのホストゲームを戦う。会場は東京都の秩父宮ラグビー場。「秩父宮にはいい思い出があります」と呉は語る。
「法政大学での最後の試合で、4年間まったく歯が立たなかった流通経済大学に、秩父宮で勝利することができたんです。みんなで頑張った結果でしたし、その喜びは今でも忘れられないです」
奇しくも、三重Hも埼玉WKに7連敗と苦戦を強いられている。呉は「“再現”したいです。楽しみです」と話した。
「関東のファンや社員の皆さまがたくさん来てくださるはずです。その期待に恥じないプレーをしなければなりません。埼玉WKは上位のチームですが、チャレンジャーとして勝ちにいきます!」
あの歓喜を、もう一度。悔しさを乗り越えて成長した呉が、学生時代の記憶を胸に白星を目指す。
(籠信明)