NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月6日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

「調子がいいのに試合に出られないことは、ラグビー人生で初めてでした」
リコーブラックラムズ東京の山本嶺二郎は、シーズン序盤にもがいた。
コンディションを整えて迎えた今季の開幕だった。しかし、第6節まではメンバーに名を連ねられず。最も苦しかったのは、1月下旬のこと。練習試合でゲームキャプテンを任され、自身が納得するプレーを80分間見せたにもかかわらず、次の試合でもメンバー入りは叶わなかった。「一番気持ちが落ちました」と、当時の気持ちを明かす。
だから、直談判に出向いた。タンバイ・マットソン ヘッドコーチに個人面談を依頼し、メンバーに入れない理由を聞いた。その面談では、マットソン ヘッドコーチから「次は自分のプレー集をもってくるように」と指示を受ける。オフを挟み、早速10シーンほどの動画をまとめ、持参した。
「自分が関わったプレーすべてを用意しました」。良いプレーだけではない。そこには悪いプレーも含め、正直に示した。
「『自分のことをちゃんと分かっています』と伝えたかったんです。現状の良いところ、悪いところを提示した上で『それでも僕はメンバーに入れると思う』と伝えました」
その面談を終えた次の試合から、山本嶺二郎はコンスタントにメンバー入りを続けている。マットソン ヘッドコーチからメンバー入りの理由を伝えられたわけではない。でも、「それでいい。(そのほうが)必死になれます」とも口にする。
この春、山本嶺二郎は社会人2年目を迎えた。10歳年上のマイケル・ストーバーグに、年齢の近いハリソン・フォックスと、良きロックの先輩たちにも恵まれ、彼らが叩き出すGPS数値(運動量などを計測した数値)に「全然届かない」と笑顔を見せる。
第8節の試合中には、たった一つのタックルがきっかけとなり調子を落としたこともあったが、同期やコーチに相談し「練習に付き合ってもらいながら」スランプを乗り越える経験も得た。振り返れば『吸収力』が成長させた“ルーキーイヤー”だった。
「2年目は、心には余裕をもちながらも変わらず必死さを併せもつバランスも重視したい」と山本嶺二郎。4月6日(日)の第14節クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦は、4番で先発出場する。
(原田友莉子)