2025.05.09[BR東京]意識改革に取り組み、今季全試合先発出場。さらなる高みへと前進を続ける

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年5月11日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 三重ホンダヒート

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

今シーズンは、全試合に先発で出場。リコーブラックラムズ東京の池田悠希選手

勝てばプレーオフトーナメントへ──。そんな希望が砕けた第17節。東京サントリーサンゴリアスとの直接対決に敗れ、リコーブラックラムズ東京はプレーオフトーナメント進出を逃した。しかし、彼らの物語はまだ終わらない。迎える最終戦は、三重ホンダヒート戦。開幕戦で敗れた悔しさをバネに、そして真黒の誇りを胸に。2022-23シーズンで記録したチーム史上最高順位タイの7位を目指し、ストロングフィニッシュを誓う。

その中心にいるのが、池田悠希。今季全試合に先発出場し、背番号12を守り抜いた選手だ。記録に残る安定感、そして記憶に残る存在感。だが本人は、そんな評価に対し、謙虚な姿勢を貫く。「まだまだ全然、満足できるようなパフォーマンスはできていません」。その言葉の裏には、静かな決意があった。

昨季の出場はわずか8試合(入替戦含む)。けがの影響があり、チームも結果を出せなかった。その悔しさを原動力に変え、今季をスタートさせると、意識改革に取り組む。

「試合をとおして走り続けること、ハードワークを惜しまないこと。そしてピンチを察知して、自分がどこにいるべきかを常に考えること」。その根底にあったのは、「一貫性」というキーワード。昨秋の日本代表活動で、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチから繰り返し伝えられた言葉でもあった。

「今季のパフォーマンスに点数をつけるなら75点」とは池田。残りの25点に、まだ見ぬ自分への期待を込めた。

もう一つの改革は、リカバリー。食事では魚を中心に、良質な油を摂取することを意識した。体の声に耳を澄ませながらコンディションを整える方法を学んだ1年間。「試行錯誤の積み重ねが、全試合出場につながったと思います」。左目のまぶたに、まだ日の経っていない縫合痕を残しながら笑った。

来たるラストマッチに向け、池田はいま、あらためて誓う。

「これまで積み重ねてきたものをすべて出し切って、今季最高の試合にします」。まっすぐなその言葉に、迷いはない。

一方で、終わりは始まりでもある。2025年の日本代表活動も、間もなく始動する見込みだ。「もし呼んでいただけるなら、今年は絶対に日本代表キャップを獲りたい。一貫性をもって、自分の力をすべて出したいです」。

昨季よりも強く、そして高みを目指して。静かな炎を胸に、池田は最終節もまた一歩、前へと踏み出す。

(原田友莉子)

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