2025.04.18[L戸田]チームを沸騰させる“魂の男”。熱き闘志をたぎらせながらプレーで示す「出る選手の責任」

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第13節
2025年4月20日(日)14:00 維新みらいふスタジアム (山口県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs ヤクルトレビンズ戸田

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

チームを鼓舞する熱いプレーがみられるか、ヤクルトレビンズ戸田の牧野真也選手

チーム随一の熱い男、牧野真也が今節、約2カ月ぶりに復帰する。

「けが明けだからとか、そんなことは関係ありません。今回選んでもらったからには、このチームの未来のために、しっかり体を張って勝ちにつなげたい」

ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)が握り締めなければいけない魂をブレずに磨いてきた男だ。

とりわけ若手に甘さが見えれば、練習中から厳しくも愛情をもって叱咤激励してきた。そうしなければ、その甘さが試合で苦しい状況になったとき、必ず出てしまうからだ。それがスタンダードになってしまうと、はい上がるのは難しくなる。

「グラウンドに出る以上は、ラグビーに真摯に向き合う。特にレビンズはフルタイムで仕事をしている選手がほとんどで、それでも覚悟をもってこの世界に入ってきたならば、やり切ることで(覚悟を)示す必要があるんです。それが応援してくれる会社や家族への恩返しになり、一緒に頑張るチームメートを鼓舞することにつながる。目の前の試合に何としても勝つんだという思いに温度差があってはいけないんです」

子どものころ、指導してくれた父親には「ラグビーは楽しむものだ」「みんなで同じ方向を見ながら勝つことが大事だ」と教えられて育った。高校時代は自分が未経験者たちを引っ張る環境だったが、学校でも部活でもプライベートでもずっと一緒に過ごす、家族のような一体感の中心にラグビーがあった。中央大学では「ラグビーをするならば男であれ」「男である以上ダサいことはするな」という教えを仲間たちと共有しながら四六時中、一緒に過ごした。

ラグビーをやる以上、それが牧野にとってのスタンダードだ。同じ温度感で、同じ目標に突き進んでいくL戸田でありたいと志してきたが、この3、4年で形作れてきた手ごたえはある。加入当初は限られた人しか発信できなかったチームが、いまではみんなが自分から発信し、誰もが遠慮することなく意見を交わせる環境がある。だからこそ、このL戸田で勝ちたいという思いを募らせてきた。

初参戦した今季のリーグワンでは苦戦が続き、今節の首位・マツダスカイアクティブズ広島戦も厳しい戦いが予想される。だが、リザーブメンバーに入った牧野はそんなことは関係ないと首を横に振る。

「まだ力が及ばないと感じる部分があったとしても、そうじゃないんです。試合に出る選手の責任として、応援してくれる人や仲間の胸が熱くなる、魂のこもった試合をしなければいけない。うまくやろうと思わなくていい。でかい相手に逃げずに前に出続ける。ここまで積み上げてきたものを信じ、泥臭く、体全体で表現できるかだと思っています」

下馬評なんてひっくり返してしまえ──。牧野が闘志をたぎらせながら、広島の地に乗り込んでいく。

(鈴木康浩)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧