2025.04.25[L戸田]「負けたら腹が立つ」。現状に歯がゆさを覚えるプロ契約選手が、今節に向けて抱く覚悟

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第14節
2025年4月27日(日)13:00 小田原市城山陸上競技場 (神奈川県)
狭山セコムラガッツ vs ヤクルトレビンズ戸田

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

ヤクルトレビンズ戸田のフッカー、谷峻輔選手。「残り2試合は同じことをやっちゃダメですよ

谷峻輔が歯がゆさを募らせている。現状のチームは、ここ2試合は大差負け。意地を見せなきゃいかんやろ──と。

今週の全体練習後には、今節新たにメンバー入りした若手選手に対して自ら時間を割く場面があった。

「『新人だから戦えませんでした』、というわけにはいかないので」

試合をやる以上はチームとして一定のクオリティーを示す。それがラグビーに向き合う自分たちの義務だと谷は考えてきた。

大半の選手たちが仕事を持つヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の中で、谷は数少ないプロ契約選手の一人だ。プロとして、食事や体重管理を徹底する。練習で浮上する疑問はその場でコーチ陣に確認して徹底的につぶしておく。その上で周りに伝えるべきは徹底的に伝える。日々の練習の質を少しでも引き上げることが“レビンズの中のプロ”の仕事だと考えてきた。プロだから一番やる。それが谷の信条だ。

「グラウンドで一番、体を張っている」

そんな周りの評価について、谷は「自分の仕事なのでね」と素っ気ない。

「言葉は悪いですけど、負けたら腹が立つので。特にディフェンスの1対1では負けたくない。日本人選手が多いレビンズの中で、相手の外国人選手を自分が止めたらチームの士気が上がるじゃないですか。結果的に『あの外国人選手は強かった』と思うことはあっても、やる前から『あの選手強いんだよなあ』と尻込みするくらいならば、試合に出ないほうがいいという考え方です」

L戸田として初参戦したリーグワンで苦戦が続こうとも、その意志はまったく揺らがない。

だから、現状が悔しい。今季は開幕2連勝を飾り、谷は第2節のクリタウォーターガッシュ昭島戦でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。だが、その後は大きく負けが先行し、直近では大敗が続く。

「いまのレビンズは何かのタイミングで緊張の糸が切れると、そのまま歯止めが効かずに大差負けすることがある。それは、正直、歯がゆいですよ」

一定の熱量を維持できればそうはならない、と谷は首を横に振りながら言った。

「残り2試合は同じことをやっちゃダメですよ。最後の最後に一つ順位が上がる可能性があるし、ましてや、今節の狭山セコムラガッツさんとはトップイースト時代にずっと一緒にしのぎを削ってやり合ってきた相手ですから、また負けたならば、口は悪いですけど、腹が立つじゃないですか。ここで絶対に食い下がらないと」

負け慣れていいわけがない。男として意地を見せろ──谷が臨戦態勢だ。

(鈴木康浩)

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