NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第13節
2025年5月3日(土)12:00 森エンジニアリング桐生スタジアム (群馬県)
日野レッドドルフィンズ vs 豊田自動織機シャトルズ愛知
豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)
前節の敗戦で連勝が9で止まった豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)は、ビジターゲームで仕切り直しの一戦を迎える。相手は2連勝中の日野レッドドルフィンズだ。
前節のNECグリーンロケッツ東葛戦でイエローカードの提示を受け、悔しさをにじませたタマ・カペネは「前回のミスを取り返す活躍を見せたい」と意気込む。今季すべての試合に先発出場中で、S愛知の屋台骨を支えるフランカーだ。
ニュージーランド出身のカペネは、流通経済大学への入学を機に日本へやってきた。人生を変えるような大きな決断をした理由について「自分の殻を破りたかったから」と話す。グラウンドを走り回り、激しいタックルやボールキャリーで貢献する姿からは想像できないが、もともとシャイな性格で、人前で話すことに苦手意識があったという。それでも「思い切って挑戦しよう」と日本行きを決めた。
それから約7年が経過した。異国の地で生活する中で成長した部分を問うと「一番身に付いたのは自立心です」と返答がきた。チームメートであり、プライベートでも仲がいいナイバルワガ セタが「以前はお店の予約をするときも僕に任せ切りでしたけど、最近は自分から日本語でするようになりました」と証言してくれたように、ラグビー選手としてだけでなく、人間としても成長を遂げている。
この“自立心”はチームにとっても大きなテーマだ。「今季は相手にプレッシャーを受けているというよりも、自分たちで崩れてしまっている傾向がある」と徳野洋一ヘッドコーチが指摘するように、S愛知は一度悪い流れになると、再び勢いを取り戻すことができていない。ディビジョン1昇格を目指すレースの“最後の直線”に入り、スパートを掛けたいチームに立ちはだかる大きな壁だ。
この壁を打ち破るには、選手たち自身が強い覚悟で、自分たちのラグビーを信じる必要がある。苦しいときに立ち上がるのは、あくまで自分自身。新たな環境に勇気をもって飛び込んだカペネのように、一人ひとりがグラウンド内で自立し、再び歩みを進めたい。
(齋藤弦)