NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第10節
2026年4月4日(土)12:00 いわぎんスタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 豊田自動織機シャトルズ愛知
豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)
けがからの復帰の過程が思うようにならず、一時は引退も考えたという豊田自動織機シャトルズ愛知の佐藤慶選手(中央)「逆境のときこそ、人格みたいなものが磨き上げられるのかなと思いました」
開幕戦以来のメンバー入りを果たした豊田自動織機シャトルズ愛知の佐藤慶はここ数シーズン、葛藤を抱えながら日々を過ごしてきた。
一昨季の終盤、左足首に違和感を抱えながらプレーを続け、シーズン終了後に手術を行った。その影響もあって、昨季は一年を棒に振った。当初はリハビリをこなしながらグラウンドに戻る予定だったが、なかなか思うように事が進まず、いつけがが治るのか、いつ練習に復帰できるかも分からなかった。
「引退するかもしれないです」
ある日、そうボソッとこぼしたこともあった。それほど、先が見えない現状に不安を募らせていた。
それでも、さまざまな人のサポートがあり、症状が劇的に回復。練習場に戻ってくることができた。これまで曇りがちだった佐藤の表情が、パッと晴れた瞬間だった。
チームメートの存在も支えになった。「特にジャマ(ジェームズ・ガスケル)には公私ともに助けてもらいました。ほかの選手たちにもグラウンドに戻って来られたときに『おかえり』と言ってもらえて、本当にうれしかったですし、支えてくれたすべての人に感謝しています」。
ただ、グラウンドに戻ってからも葛藤は続いた。開幕戦こそ出場を果たしたが、以降はメンバーから外れる。「正直、苦しむ時間が長かった」と振り返る。
そこでもまた、人に支えられた。特に「クリスチャン(・リアリーファノ)には頭が上がらないですね。ノンメンバーのみんなに声を掛けて、僕たちに居場所を作ってくれました。どういったマインドで過ごすべきか、すごく勉強になりました」
「人の痛みが分かるようになった」ことがこの長い期間をとおして、佐藤の得た財産の一つだ。
「(松岡)大河や(グレイトリー)献人など、若くして長期離脱している選手の気持ちが痛いほど分かります。できるだけ相談に乗ったり、サポートしたりしてあげたいですし、またノンメンバーのぶんまで、今週の試合で頑張りたいです」
逆境からはい上がり、人間としてひと回り大きくなった男が、再びリーグワンのグラウンドに戻ってくる。その姿がきっと、いままさに逆境に立ち向かうチームメートの希望となるはずだ。
(齋藤弦)



























