2026.01.23[L戸田]“タフマンズ”からはい上がった男の逆襲劇。背中を押してくれた妻の言葉

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第4節
2026年1月25日(日)12:00 ホンダヒート・グリーンスタジアム (栃木県)
ヤクルトレビンズ戸田 vs マツダスカイアクティブズ広島

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

ヤクルトレビンズ戸田の半田巧選手。「続けてきて本当によかった」

ヤクルトレビンズ戸田では、練習時に仮想の相手役を務める控えメンバーを「タフマンズ」と呼ぶ。チームを支える縁の下の力持ちたちだ。そのタフマンズで長年、MVP級の仕事を続けてきた在籍5年目の半田巧が、今季は開幕から3試合連続でスタメンに名を連ね、攻守にわたって活躍している。

「チームのためにタフマンズを演じながらも、試合に出られない悔しさはずっと抱えていました。でもいまは、純粋にラグビーが楽しいです」

昨季の第3節・中国電力レッドレグリオンズ戦、ついにリーグワンの舞台で初めてメンバー入りを果たした。あの試合前、ロッカールームで感極まって号泣した半田にとって、いまの状況は夢のようだ。「続けてきて本当によかった」と、しみじみと思う。これまでずっと課題と指摘されてきたアタックの精度を、誰よりも丹念に磨き続けた成果だった。

実は昨季、心が折れかけた時期があった。いや、折れた瞬間もあった。タフマンズから抜け出せず、イヤな出来事が重なり、「もう辞めてやる」と自暴自棄に陥った。

そんなとき、間髪入れず背中を押してくれたのは妻だった。母校・大阪産業大学ラグビー部のマネージャーだった彼女は、迷うことなくこう言った。

「リーグワンで戦えているんだから、やったほうがいいよ」

その言葉にハッとした。ラグビー自体を嫌いになったわけではない。ふつふつと闘志がよみがえった。「このまま終わってたまるか」。毎試合、スタンドから見守ってくれる妻のために、全力でやり切ろう──半田は再び、心を強く決めた。

迎えた今季のプレシーズン。半田は試合に出続け、存在感を放ち続けた。開幕直前に開催されたリーグワンライジングでは、河野嵩史ヘッドコーチから「お前がMVPだ」と直接告げられるほどの活躍を見せた。

それでも、慢心は一切ない。

「自分の力でタフマンズからはい上がれた。でも、このチームにはもっとできる選手がたくさんいる。だから、自分はもっと頑張らないといけない」

まだメンバー入りの当落線上。大きなミスをすれば即座に外される──危機感は常に強い。それでも、半田の目は揺るがない。

「レビンズとして、昨季の戦績を超えたい。そして全試合に出たい。できればスタメンで。絶対に出ます」

覚悟を決めた男は強い。タフマンズからはい上がった男の逆襲は、まだ始まったばかりだ。

(鈴木康浩)

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