NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2026年3月14日(土)13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 37-33 静岡ブルーレヴズ
リーグワン初の4連勝。“逆転のラムズ”の要因は、ロッカールームのコミュニケーションにあり
リコーブラックラムズ東京の中楠一期(なかくすいちご)選手。11節を終えた時点で得点ランキングのトップを走る(131点)前半にリードを許し、追い掛ける展開が続いた第11節のリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)。試合終了が迫った後半39分、まさに土壇場で逆転トライを決めたのは、BR東京のキャプテン、TJ・ペレナラ。静岡ブルーレヴズとの一戦で劇的勝利を飾った。
第11節にして、早くも昨季(6勝12敗)を上回る7勝目。興味深いのは7勝のうち、この日も含めた6勝が後半での逆転劇という点だ。
この“逆転のラムズ現象”はなぜ生まれるのか。タンバイ・マットソン ヘッドコーチに聞くと、「ロッカールームでのコミュニケーション」を要因に挙げる。
「前半40分が終わってロッカールームに入る際、一番心配になるのは静かなとき。以前はそんな雰囲気のハーフタイムもあったかもしれません。でも、いまは違います。私が話す前から選手たち自身で改善できるポイントを話し合い、解決策をシェアしています。本来、ビハインドでハーフタイムを迎えるのはイヤなものですが、いまはそれがうまくハマっていますね。『80分でどう戦うか』という展開に選手たちも自信をもち始めているようです」
選手側はどう考えているのか。司令塔の中楠一期はハーフタイムのロッカールームの様子をこう振り返る。
「僕は10番ですし、以前からハーフタイムのコミュニケーションは重視しています。ただ、いまは確かにみんながディスカッションをするようになりました。そのぶん、情報量は増えていると思います。チームの一体感が増しているのも感じます」
これでチームはリーグワンでは初の4連勝。悲願のプレーオフトーナメント進出に向けても視界良好だ。
「プレーオフトーナメントに向けて自信につながる試合でした。やはり勝ち続けることでチームの雰囲気も良くなっています。試合に出るメンバーは、出られなかった選手たちの思いも背負って戦うわけですから、不甲斐ないプレーをするわけにはいかない。こうして勝利という結果を続けることで、またいい循環が生まれていくと思います」
もっとも、自分のプレーでは納得がいかない部分も多い、と勝って兜の緒を締める。
「今日はキックの精度、キックマネジメントも含めて、個人的には納得のいかない内容でした。調子が悪いときでもいかに高いレベルを維持できるか。まだまだ課題は多いです」
現在、得点ランキング1位を走る中楠がこれだけ自分に厳しければ、自ずとチーム全体の視座も高くなるはず。次節は5連勝を懸け、埼玉パナソニックワイルドナイツと激突する。
(オグマナオト)
リコーブラックラムズ東京
リコーブラックラムズ東京のタンバイ・マットソン ヘッドコーチ(左)、TJ・ペレナラ キャプテンリコーブラックラムズ東京
タンバイ・マットソン ヘッドコーチ
「相手チームも必死で、彼らにとっても重要な試合だったと思うので、スタートからフィジカル重視で攻められ、かなりドミネートされました。静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)さんはほぼ狙いどおりのラグビーができていたんじゃないかと思います。とても危険なチームで、抑えることは本当に難しかったです。その中でもしっかりとカムバック(挽回)する方法を見つけてくれたチームを誇りに思います。順位表は関係なく、選手たちのプレーを見ていると、お互いに対してのコミットメント、そして、ネバーギブアップの精神を垣間見ることができて、本当に誇りに思います」
──ペナルティの少なさ、レッドゾーン(22mライン内)に入ってからの遂行力の部分で非常に整備されていると感じました。その部分はどう評価していますか。
「レッドゾーンはすごく大事で、ベストチーム相手にはなかなかチャンスはもらえません。われわれのペナルティが少なかったとしても、それでも相手にチャンスを与えてしまっています。22mの中でミスをしたり、脱出がうまくいかなかったりしてしまった部分はあらためて週明けにフォーカスしなければならないと思います」
リコーブラックラムズ東京
TJ・ペレナラ キャプテン
「静岡BRさんは非常にいいパフォーマンスをしていたと思います。相手のメンバーを見たら、どんなゲームプランで来るのか、それなりに分かります。それをうまく遂行されて、プレッシャーもすごかったです。ディフェンスは1on1をしっかり決めないとうまくいかないんですけど、相手には6人から7人くらいタックルを決めるのが本当に難しい選手が多くて、彼らが今日はいいゲームを見せたのだと思います。この試合をきっとターゲットにしていたんだと思います。自分たちもこのゲームの重さはしっかり理解していました。その中でしっかりファイトし続け、勝つ方法を見つけた。勝ち点4だけじゃなく、スピリットや自信、そういったものもたくさん得られたゲームでした」
──レッドゾーンで何度も相手をストップさせました。ディフェンスが機能した要因を教えてください。
「トレーニングの形とはちょっと違ったかもしれないです。相手がコリジョンで勝っていて、われわれのディフェンスを越えるような形で倒れてきていたので、それが若干のチャンスだなと気づいていました。ヘッドコーチからもそれを聞いて、より注意するようになりました。『そこにチャンスがあるよ』と自信をもって言ってくれたので、その情報とリーダーシップは非常に助けになりました」
静岡ブルーレヴズ
静岡ブルーレヴズの藤井雄一郎監督(左)、チャールズ・ピウタウ ゲームキャプテン静岡ブルーレヴズ
藤井雄一郎監督
「本当に今日はどうしても勝ちたかった試合で、プランどおりしっかり点が取れていたんですけど、最後の最後に自分たちのペナルティも重なって、"もう1本取れれば"というところを取ることができず、逆に最後に取られてしまったというゲームでした。良くなっている部分もたくさんあるので、しっかり修正して、また来週に臨みたいと思います」
──この1週間、どんな言葉をチームに伝えて準備をしてきましたか。
「僕らももう本当にあとがないので、アグレッシブに、とにかくトライを取って勝つということです。攻撃する姿勢を80分間貫いていこうと。ただ、若い選手が多かったこともあり、判断ミスがあったかもしれません。ただ、みんなの戦う姿勢としてはこの1週間取り組んできたことが出たんじゃないかと思います」
静岡ブルーレヴズ
チャールズ・ピウタウ ゲームキャプテン
「今日はたくさんいい部分もあり、自分たちの学びもたくさんあった試合だったと思います。一方で、ブレイクダウン周りは修正する必要があります。また、リードしている試合をどう閉じていくのか、という点は今後の課題です。ブラックラムズさんは今季、すごくチーム状態がいいですし、今日の試合は良かったのだと思います」
──22mラインの中には何度も入っていたのに決め切れない場面が多くありました。その要因をどう捉えていますか。
「チャンスはたくさん作れていると思うんですけど、自分たちのところでボールを失ってしまったり、ターンオーバーされたりすることがありました。特にブレイクダウンの部分ですね。そこでペナルティを取られてしまったり、ラストパスがとおらなかったりといったことで、相手に脱出されてしまったことが原因だと思います」



























