NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2026年3月21日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
浦安D-Rocks vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイのイジー・ソード選手「タックルでビッグヒットしたら、みんな『おおーっ!』ってなるじゃないですか」
その瞬間が好きだと、イジー・ソードは迷いなく語る。観客がどよめく衝撃。空気を変える一発。スクラムの最前列に立つその男は、接点で“流れを動かす”ことに、喜びを見出している。
だが、プロップとしてのキャリアは恐怖から始まった。母国・オーストラリアで楕円球と出会ったのは16歳のとき。最初のポジションはセンター、次にウイング。16歳から18歳までの2年間は13人制ラグビーも経験。当時は「足が速かったんです」と、本人はどこか懐かしむように微笑んだ。
2020年に来日し、拓殖大学ラグビー部へ入部。3年時、監督の勧めでプロップへ転向した。190cmの長身ゆえに、「スクラムでは相手との高さが合わなくて、アジャストするのがすごく大変でした」と振り返る。さらに、未経験のポジションだったこともあり、「怖さもありました」とも。
2024年にクボタスピアーズ船橋・東京ベイに加入すると、そのスクラムは“別物”だった。大学とは比較にならない強度。そこで彼が向き合うことになったのが、“ディテール”だった。
スクラムを担当していた当時のアシスタントコーチの後藤満久氏は、細部に徹底的にこだわった。バインドの位置、ヒットの角度、体の使い方。練習後にはエキストラセッション。さらに日々のレビュー。後藤氏からの繰り返される問いかけに向き合う中で、ソードのスクラムは少しずつ形を変えていく。恐怖から始まったポジションは、やがて“理解する対象”へと変わっていった。
「どんどん良くなっていったという実感があります。本当に細かいところが大事。全部、ディテールです」
2025年1月の東京サントリーサンゴリアス戦で初キャップ。試合前日は「緊張して寝られなかった」と苦笑する。それでも、積み重ねてきたものは確実に形になりつつあった。初先発の舞台となった、昨季のプレーオフトーナメント準々決勝。その一戦では「ベストパフォーマンスができた」と手ごたえを口にした。
21日に行われる浦安D-Rocks戦で、今季初の先発出場を果たす。「セットピース。スクラム、ラインアウトモール、全部ドミネート(支配)したい」と意気込みは強い。
そして、自身のストロングポイントとして挙げるのが、13人制ラグビーで培った“突き刺すようなタックル”。ビッグヒットを好む、その原点でもある。
「前節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦のような接戦になったときに、ディフェンスでビッグプレーをしたい。タックルやスティールで、流れを変えられたらいいなと思っています」
そのタックルは、まさにスピアー(槍)。チーム名を体現する男が、いま最前列に構える。
(藤本かずまさ)



























