NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年5月10日(日)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs コベルコ神戸スティーラーズ
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)
相手は首位に立つコベルコ神戸スティーラーズだが、3位につけているクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの勝ち点差はわずかに2ポイント。ショーン・スティーブンソン選手は「チームにとって大きな挑戦となる試合です」と語る「僕のキャリアは、これまで2位が多かったんです」
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)のジャージーに袖をとおして優勝することに、どのような意味があるのか。そう問いかけると、彼は少し間を置き、こう続けた。
「だから、優勝することは僕にとって“すべて”を意味します」
ショーン・スティーブンソン。ニュージーランドのチーフスで100キャップを達成した百戦錬磨のフルバック。ハイボールを吸い込むように収め、するするとスペースを抜けていく様は、まるで魔法使いのようでもある。
彼に寄せられる期待の大きさは、今季の起用に明確に表れている。ここまで17試合中、16試合に先発出場。チームの中心としてグラウンドに立ち続けている本人は、その状況を「最高なこと」と語る。
「自分の体を理解し、健康を維持することは、自分の役割を果たす上で大切なことだと考えています。そのために毎週、同じリズムで1週間をスタートさせることを意識しています。いい準備をするためにリカバリーや食事に加えて、最近はジャーナリングも習慣になっています。毎朝、感謝していることやその日の目標を書き出すことで、集中力を保てています」
だが、昨年のこの時期、彼の姿は日本にはなかった。昨季はシーズン途中で帰国。リーグワンプレーオフトーナメント決勝から約3週間後の6月21日には、スーパーラグビーのファイナルの舞台に立っていた。結果はS東京ベイ、チーフスともに準優勝。“あと一歩”の感覚だけが、胸に残った。
「二つの決勝で敗れ、本当に悔しさが残りました。リーグワンのプレーオフトーナメント決勝はニュージーランドから見ていましたが、プレーそのものではなく、準備やエネルギーの部分に課題があったと感じています。昨季の経験を生かして、今季のプレーオフトーナメントに臨みたいです」
今季はプレシーズンから合流し、チーム文化にも触れる時間をもてた。下部リーグからはい上がり、ついには優勝を手にしたヒストリーも理解できている。そして、そのDNAの鎖の中に、いまの自分がいることも。
「私たちが最高のラグビーをすれば、どこにも負けないと思っています。チームのDNAを理解し、リカバリーや準備など細かいことをしっかり積み重ね、全員が攻める気持ちをもって試合に臨めば、最後まで勝ち進めると確信しています」
最終節の相手は首位のコベルコ神戸スティーラーズ。えどりく30連勝も懸かる重要な一戦であるが、あくまで冷静に“次の80分”としてその一戦を見つめている。
「1位から3位まで3チームが激しく争っているので、チームにとって大きな挑戦となる試合です。いまは週末の試合に集中しています。ほかのチームの結果はどうあれ、自分たちのやるべきことをしっかりやれば、運命は自分たちの手で切り拓けるはずです」
切り拓いていくその先に、たどり着くべき頂点がある。そこで結実する「すべて」とは。おそらくそれは、泉谷しげるが『春夏秋冬』で声高に歌ったような、ここまで積み重ねてきたものすべてに意味が生まれる瞬間──そんな景色なのかもしれない。
「その喜びは、フロント、選手、コーチ、ファンのみなさん、チームに関わるすべての人にとって、大きなものになるはずです。自分たちのためだけでなく、そうした人たち、そして家族のためにプレーしています」
その「すべて」を背負い、ショーン・スティーブンソンはシュートする。
(藤本かずまさ)



























