NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年4月4日(土)14:40 ヒマラヤスタジアム岐阜 (岐阜県)
トヨタヴェルブリッツ vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)
初めて先発メンバーとして出場するクボタスピアーズ船橋・東京ベイの古賀駿汰選手本人は「運が良かっただけ」と言うけれど、チャンスは“偶然”ではなく、“必然”として訪れるものである。クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)の大型スクラムハーフ、古賀駿汰の場合、それは“準備”と“武器”、そして“積み重ね”がそろったときに訪れた。
トライアウトを経てスピアーズに入団したのは2019年。キャプテンのマキシ ファウルアの他、トゥパ フィナウやバーナード・フォーリーらが同期にあたる。
入団当初、古賀は「練習のレベルの高さについていくのに必死だった」と振り返る。同期が次々と試合に絡んでいく中で、「この中で最初に退団するのは自分だろう」とさえ思っていた。
事実、古賀が初キャップを得るまでには入団から4年もの時間を要した。ただ、180cmの長身から繰り出される滞空時間の長いキックはコーチ陣からも評価され、空に“間”をつくり空中戦の主導権を引き寄せるその一蹴は、彼の長所を生き生きと証言していた。その武器の原型は、すでに彼の中にあった。
「そこを伸ばして、生き残ろうと考えてきました。もともとキックの飛距離には自信があったので、高さや距離といった強みをベースに、その精度を磨いてきたという感覚です。ほかのスクラムハーフと比べても飛ばせる部分はあると思うので、まだ課題はありますが、精度は少しずつ上げてきています」
転機となったのは2023-24シーズン。開幕戦でデビューを果たすと、リーグ戦6試合に出場。経験の積み重ねが、古賀を一段階引き上げた。
「公式戦を経験できたことは大きかったですし、それが次のシーズンへの自信にもつながりました。そこからまた出場機会を重ねていく中で、毎年少しずつですが、確実に自信は積み上がってきていると感じています」
磨いてきた武器がプレーの中で生きるようになり、シーズンごとにパフォーマンスの向上を実感している。今季は第3節から出場し、ピッチで確かな感触を得られた。そして、そのときは訪れた。
4月4日、トヨタヴェルブリッツ戦。古賀は入団後、初めて先発としてピッチに立つ。胸にあるのは緊張よりも、「選ばれた」という自信。積み重ねてきた時間の延長線上に、この試合はある。
「(藤原)忍やカズさん(谷口和洋)のようなスピードのあるプレーはできませんが、自分の役割と強みをしっかり出せるよう準備していきます。ディフェンスではどこを埋めるのか、誰に入ってほしいのかを常に発信すること。アタックではキックを強みに、ハイパントから再獲得してエリアを前進させていきたいです」
ここには、いまもフィールドで戦う2019年入団組がそろう。自然と「みんなで写真を撮ろう」と声が上がり、バーナード・フォーリーはすでにチームを離れた仲間たちにも「全員に来てもらおう」と笑ったという。
「最初に退団する」と思っていた古賀が、この輪の中にいる。本人はやっぱり「運が良かっただけ」と言うのだけれど、そうではないことを、楕円球は知っている。
(藤本かずまさ)



























