NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2026年3月28日(土)12:10 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 東芝ブレイブルーパス東京
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)
「付き合わされてしまいましたね」
根塚洸雅の中に、それは苦い記憶として残っていた。昨季のプレーオフトーナメント決勝。ディフェンディング王者の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)を前に、シーズンをとおして“オレンジの壁”とまで称されたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)のディフェンスはほころびを見せた。
相手のテンポに呑み込まれた前半。自分たちの間合いで仕掛けるはずだったディフェンスは、気付けば“対応する側”へと回っていた。
「決勝の映像は何度も見返しました。ラインアウトのセットアップや相手の立ち位置を見たときに、もう少し幅を取って準備できていれば、プレッシャーを掛けられた場面もあったと思います。特にボールが出る前のポジショニングや、ディフェンスラインの統率は課題として感じました。ウイングとして内側に働きかけることも含めて、そこは今季かなり意識している部分です」
高校、大学では主にセンターでプレーし、相手の流れを断ち切る一発のタックルに魅せられてきた。ウイングにポジションを移したいまもディフェンスへの志向は強く、その本質は変わらない。
だが、視点は大きく変わった。守備を担当するアシスタントコーチのスコット・マクラウドが示したのは、タックルの技術そのものというより、どのタイミングで仕掛けるのか。その準備と判断の部分だという。
つまり、ディフェンスは受けるものではなく、仕掛けるもの。今季、根塚の目には、その輪郭がはっきりと見え始めている。
「自分は体が小さいぶん、ディフェンスではそうした駆け引きがすごく重要になると感じています。シンプルに1対1でぶつかるだけでは分が悪いので、自分のタイミングで先に入れることは大きな強みになると思っています」
今季第6節のBL東京戦。根塚はピッチの外から、その戦いを見つめていた。S東京ベイは自分たちのラグビーを展開できていたものの、タイラー・ポールのノートライ判定をきっかけに流れが途切れ、勢いを手放した。結果は、ラスト30秒での逆転負け。だからこそリマッチでは、「ああいう難しい状況でも、もう一度自分たちのプロセスにフォーカスし続けられるかが大事」だと語る。
「簡単に勝てる相手ではないのは分かっていますし、自分たちが勢いに乗る時間と、我慢する時間の使い分けはすごく大事になる試合だと思っています」
スピアーズが最後にBL東京から勝利を奪ったのは、2023年2月25日の、えどりく。不敗神話を築くこの場所で、越えるべき相手との再戦に臨む。
「アタックでは、ハイボールも含めて準備してきたことを出しながら、エッジのところから勢いを付けてチームを前に出していきたいと思っています。ディフェンスではタックル数も増える試合になると思うので、相手が流れに乗りそうな場面で、自分の駆け引きから流れを引き寄せられるようなプレーをしたいです。そのための準備をやっていきたいと思います」
もう、付き合わない──。物語の続きは、自ら綴る。
(藤本かずまさ)



























