NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第9節
2026年3月28日(土)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 清水建設江東ブルーシャークス
清水建設江東ブルーシャークス(D2)
「Old.(年を取りました)」
今節のNECグリーンロケッツ東葛戦で、日本での公式戦出場100キャップという節目を迎えるコンラッド・バンワイク。クーニーの愛称で親しまれる彼が2016年に来日し、東芝ブレイブルーパス(現・東芝ブレイブルーパス東京)に加入してから10年。38歳のベテランは、その記念すべき節目について聞かれても、まずはそんな一言でにこやかに切り返した。
シャイなのか、サービス精神からか。本心を語る前に冗談を挟み、相手の笑いを誘うところがある。しかし、その内側にあるのは数々の経験を積み重ねてきたベテランならではの思考と、長年のキャリアを支えてきた情熱だ。すべてを最初から見せない、その少し天邪鬼なところもまた彼らしさだ。問いを重ねると、あらためて100キャップへの思いを静かに語ってくれた。
「日本で100キャップというのは目標にしてきたことでした。でも、ここまで来られるとは想像していなかったです。だからこそ、本当に楽しみにしています」
その歩みは結果にも表れている。2023-24シーズンにはディビジョン3でMVP、プレーヤー・オブ・ザ・シーズン、得点王、最多トライゲッターを獲得。さらに昨シーズンにはディビジョン2でベストキッカーに輝いた。穏やかな口調の奥には、積み重ねてきたものへの確かな誇りがにじむ。
「今までやってきたことに対して、誇りをもっています。自分が立ててきた目標をしっかり達成してきたことは、自分にとって大きいです」
南アフリカ出身の彼にとって、この100キャップは特別な意味をもつ。母国でも届かなかった数字を、日本で迎えるからだ。それは、この地で長くプレーし続けてきた証でもある。ただ、その時間は決して楽しいことばかりではなかった。
「一番大変だったのは、やっぱり家族が日本にいないことですね」
誕生日や結婚式など、大切な時間をともにできない現実。それでも彼は、日本で出会った仲間たちに支えられてきたと語る。
「南アフリカの家族もずっと支えてくれているし、日本でも外国籍選手や日本人選手が家族のような存在になってくれました」
そしてその言葉は、20年から所属する清水建設江東ブルーシャークスへの思いにも重なる。
「自分のハートに一番近いチームです。みんな本当にいい人たちで、すごく努力家。日本人選手はラグビーだけじゃなくて仕事も全力でやっているし、尊敬しています。国籍に関係なく、兄弟みたいで家族のようなチームです」
誰とでも自然に打ち解ける柔らかさと、グラウンドに立てば一切の妥協を許さない勝負強さ。その両方をもつからこそ、彼はチームの“家族”であり続けている。
次の目標は明快だ。
「40歳までプレーすること」
そのために必要なものを問うと、少し笑いながらこう続けた。
「リカバリーかな。コーチがキツい練習から外してくれたら、もっと続けられると思うよ」
隣にいた坂本和城BKコーチに聞こえるように投げた一言に、周囲は笑いに包まれた。そんな場面でも、やはり彼は彼である。
それでも最後に、ファンへの言葉を求められると、表情を引き締めた。
「ここまで来られたのは、みなさんの応援があったからこそです。本当にありがとうございます」
100キャップは、きっと通過点に過ぎない。何度もチームを勝利へ導いてきたキックの放物線のように、クーニーの歩みはこれからも、まだまだ先へと伸びていく。
(奥田明日美)



























