NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第14節
2026年5月9日(土)13:00 KUROKIRI STADIUM (宮崎県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs 日野レッドドルフィンズ
九州電力キューデンヴォルテクス(D2)
「ラグビー、めっちゃ楽しいですよ」
今季限りでの現役引退をすでに発表している高井迪郎だが、ラグビーに対する情熱は一切、衰えていない。しかし、その「ラグビーが楽しい」という思いが引退を決断する理由にもなった。
「ラグビーを楽しみ過ぎていることが大きかったです。みんなにも伝えたんですけど、(試合に出られない)悔しい気持ちよりもラグビーをしている時間が楽しいという思いのほうが強くなっていました。試合に勝つ、負けるというギリギリの真剣勝負を楽しめるんじゃなくてラグビーをやっていることを楽しんでいる自分がいたので、自分で区切りを決めてやり切ろうと思いました」
前節は引退を発表後、初めて公式戦のグラウンドに立った。高井にとって実に1年ぶりの公式戦出場だったが、やはり真剣勝負の舞台は格別だった。
「試合に出られるうれしさがあったからなのか、ある程度、力を発揮できたからなのか。理由は分からないんですが、めちゃくちゃ悔しかったです。僕がここで全然、悔しくなかったら試合に出られていないメンバーに失礼だし、これがアスリートとしての当たり前の気持ちなのかなと受け止めました」
高井は当初、昨季限りでの引退を考えていたという。その時点で家族には伝えていたが、反応は「すごく寂しがっていた」というものだったそうだ。それでも、最終的には今季も現役続行を決断する。妻からは「あなたが決めたことに何も言いません。好きにしていいよ」という言葉をもらった。5歳の長男は引退を報告すると「けがは手術すれば治るでしょ」と言って笑わせた。もうすぐ3歳になる次男は最近、プレーを見るようになって真似をしてくるそうだ。家族の存在は高井にとって大きな支えとなっていた。
高井にとってそんな特別なシーズンはいよいよ最終章を迎える。チームメートから『ザ・キャプテン』と評される男は最後の試合で何を伝えたいのか。
「ブラザーフッドかな。みんなには伝えたんですけど、ブラザーフッド、マインドセット、コントリビュート、エンジョイというのは僕がキャプテンをしているときに掲げたものですが、それがいま、このチームの文化の一つになっているのはうれしいことです。だからこそ、それを最後まで体現する選手でありたいし、それを体現してくれる若い選手が出てきてくれればうれしいです」
結果はあとから付いてくるもの。だからこそ、常に自分の役割を全うすることだけを考えてプレーし続けてきた。
「言えと言われれば、『絶対に勝ちたい』と言いますよ(笑)。でも、やっぱり『いつもどおり』です。自分がトライしたいとかそういった気持ちはまったくなくて、チームに期待される仕事をやり切りたい」
高井が見せる最後の雄姿。そこにはこのチームのカルチャーが凝縮されているはずだ。
(杉山文宣)



























