NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第15節 カンファレンスB
2022年5月1日(日) 17:00 味の素スタジアム (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 27-3 東京サントリーサンゴリアス
東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ
「まずは選手をとても誇りに思います。この週にあたって、準備もしっかりできて、それを試合でしっかり生かすことができたことが見られてよかったと思います。コンディションの部分は選手がよくコントロールしてくれました。テリトリーを取るという部分ですごく良い試合ができたと思います。大事な瞬間に接点の部分でも勝つことができました。またすごく嬉しかったのは、継続してプレーしたいという姿勢が見えたことです。本当にファンの方だけではなく、東芝のスタッフの皆さんにとってもこの勝利は良かったのではないかと思っています。今日の試合で良いパフォーマンス、良い勢いをさらに持つことができたかなと思います」
──ヘッドコーチ就任からブレイブルーパス東京のベーシックな部分についてどのような働きかけをしているのですか。
「素晴らしい取り組み、姿勢を持った選手たちがたくさんいます。サム・ワード(FWコーチ)もチームに加わってFWに貢献し、ラインアウトではワーナー・ディアンズ(LO)、ジェイコブ・ピアス(LO)、梶川喬介(LO)、伊藤鐘平(LO)らが素晴らしい活躍をしてくれました。スクラムが良くなったことでラインアウトに時間を割くことができ、ラインアウトも良くなってきました。ジョー・マドック(ATコーチ)もアタックのマインドを植え付けてくれてそこがうまくいっているのでありがたいと思っています。コミュニケーション含めてシンプルにラグビーができていて、アタックのストラクチャーの中でバリエーションを持ってプレーできています。バリエーションが良いので選手が良い刺激を受けてプレーできていると思います。また一番良いところは、毎週さらに良くなりたいという意思が見えるところです。そういった意味では充実した素晴らしい練習ができていますし、そういったところがすべて組み合わさって違いを生み出しているのかなと思います」
──前回の試合でレッドカードの判定を受けたセタ・タマニバル選手(CTB)の今日の出場と評価について教えてください。
「ジュディシャルが正しい判断をしてくれたので出場停止がなくなりました。当然選手の安全は自分たちも大事に取り組んでいます。チームと審判団で意見が食い違った時にはこのようなプロセスにかかることがありますが、最終的には試合出場停止がなくなり、正しい判断をしてくれました。セタはこれまでの中でもベストと言っていいようなすごく素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。ディフェンスですごく活躍してくれましたね。ジュディシャルの部分で出場停止にならなかったため試合出場が決定して、良いパフォーマンスでその分を取り返してくれたなと感じています」
──攻撃力のある東京サンゴリアスをノートライに抑えましたが、これに驚きはあるのですか。
「間違った誤解は与えたくありませんが、選手たちができることは分かっていました。素晴らしいチームですし、そこの中で達成できるというような信念の部分を持っているチームです。シーズンを通じて徐々にパフォーマンスも上がってきました。今までのシーズンを通じて一部一部で見られていたところが今日の試合ではうまくいったと感じています。ディフェンスのシステムでは特に信念を持てていますし、そこも自分の取り組む姿勢がもとになっています。選手たちがアクションを通じて勝ちたい姿勢を見せられたのはうれしく思っていますし、戦術的にも敵陣で相手をとどめることができたことにうれしく思います。東京サンゴリアスさんはボールを持つと才能のある選手たちが一気にアタックしてくるようなチームですが、そういったところでチャンスを与えずに済んだのはすごく良かったです。リーグの中でも一番危険なチームだと思います」
東芝ブレイブルーパス東京
小川高廣 共同キャプテン
「今週はチームとして全員が素晴らしい準備ができました。試合に向けてもコンタクトで絶対に勝つというメンタリティーを全員持つことができたのが本当に良かったですし勝ちにつながったと思います。自分たちのラグビーをアタックでもディフェンスでも見せることができました。来週も同じように準備して臨みたいと思います」
──シーズン中にプレーしていて手ごたえを感じられるようになった時期はいつだったのですか。
「最近の試合はFWもすごい強くキャリーをしますし、セットプレーも良くなってきていて、今日の試合も特にFWありがとうと、ブレイブルーパス東京が返ってきたなと思います。感覚的にはコベルコ神戸スティーラーズ、トヨタヴェルブリッツという強くて勝たなければいけない相手と対戦した際に、BKは強みだと思っていたのですが、さらにそこからFWも良くなってきたので、そのあたりくらいからですね」
──コリジョンについては試合前の時点で勝てる感覚だったのですか。
「自分たちは強いランナーがたくさんいると思っているので、そこでは勝てると思っていました。実際に一人一人強いキャリーができたと思います」
──ディフェンスの感触はいかがでしたか。
「今日はFWのディフェンスが相手を全然前に出さなかったので、外にいる自分たちとしては本当に楽に、上がれば当たるという感じだったのでFWに感謝したいです」
──雨を想定してどんなプランを立てていたのですか。
「週の初めから雨の可能性があるというところがあって、強いプレーをどんどんしていこうという話はしていました。試合前にもこの雨は絶対うちの味方をする、絶対強くいこうと言っていたので、その通り天候が味方してくれたなと思います」
──雨の中でコミュニケーションはどのように取ったのですか。
「エグジットの部分に関しては、トライした後などもクリアにシンプルにエグジットしていこうという話ができて、その通りに実行して、自分たちの良いディフェンスで取り返そうというようにシンプルなものでした。本当に難しいことは話さずにできたかなと思います」
──観客10,000人超えの感想はいかがですか。
「人が多い感覚もありましたし、試合が進むにつれて自分たちの勝利が近づいて、ファンの皆さんもすごく応援してくれました。それはすごく後押しになったなと思います」
東京サントリーサンゴリアス
ミルトン・ヘイグ監督
「まず、東芝ブレイブルーパス東京の皆さんの戦いが本当に素晴らしかったです。府中ダービーなのでフィジカルバトルになるのは想定して準備していましたが、その点で東芝さんが上回っていたのかなと思います。コンディションの面はありましたが、それはお互い様だと思っています。特に我々のしたいスタイル、テンポでプレーできなかったというのが今日の敗因です。これからセミファイナル、ファイナルを迎えるにあたってすごく良い準備はできていますし、来週のトヨタヴェルブリッツ戦もショートウィークですが、しっかりまたここから準備をしていきたいです」
──後半15分ごろに一気にHB団を変えた理由を教えてください。
「戦術的な交代でした。追いかける展開で前に出て得点が必要な局面だったので、齋藤直人を9番、ダミアンマッケンジーを10番にしてエナジーを上げる目的と、齋藤直人はラックスピードを速くするパフォーマンスをしてくれるため、そこに期待してそのタイミングで変えました」
──今日のゲームをふまえた修正点、伸ばしたい点を教えてください。
「コンディションが悪かった話は事実ですが、もう少しテリトリーを取るところはできた部分があったと思いますし、これからの試合は雨がまた増えてくる予報もあると思うので、判断の部分でもっと良い判断を試合中にしていかなければならないと思っています。今日の試合では前半に7つのペナルティと、3つターンオーバーをされているので、そういった部分を改善しなければセミファイナル、ファイナルでは勝てないと思います。その点を修正していきたいと考えています」
東京サントリーサンゴリアス
中村亮土キャプテン
「東芝ブレイブルーパス東京さんのフィジカリティーのところでゲームを運ばれてしまったのでこういうかたちになったと思います。学ぶところはしっかり学んでまた次に生かしたいと思います」
──ブレイクダウンの圧力の感触はいかがでしたか。
「ディフェンス自体が前に出てくる、二人でタックルするようなかたちのディフェンスでした。僕らとしては雨で滑るためボールキャリーの選手がオプションなくキャリーをしてしまい、相手の的を絞らせたことによって強いブレイクダウンをされてしまいました。このような環境下でもスキルを持って遂行できるようなチーム状態に持っていきたいと思います」
──特に後半は自陣から出られなかった時間が長かった印象ですが、どのように敵陣に入るプランを持って共有していたのですか。
「自陣ではシンプルにキックしてディフェンスしようと前半からずっと言っていたのですが、自分たちのペナルティが多くなかなか勢いに乗り切れませんでした。ペナルティの原因をしっかり詰めていきたいと思います。
──トヨタヴェルブリッツ戦の意気込みを教えてください。
「本当に東芝ブレイブルーパス東京さんによって良いきっかけを頂いたので、もう一回チームが変わるチャンスではないですが、もう一度エネルギーに変えて、チームとしてレベルアップして来週に向けて良い準備をしていきたいと思います」
──キックはあまり蹴らなかった印象がありますが、できるだけオプションを使う意図があったのですか。
「動かしながら蹴るというのがあったので、もっとシンプルにすればよかったのかなと思います。ただ負けた原因はそこではないと思っています」
──東芝ブレイブルーパス東京の開幕戦との違いを感じられた部分はありますか。
「チームとしてのまとまりをすごく感じましたね。これぞ東芝ブレイブルーパス東京という。もう一回対戦するチャンスがあるかもしれないので、そこに向けて強くなって戻ってきます。良いシナリオができたと思います」