クリタウォーターガッシュ昭島(D3)
入替戦出場へ、絶対に負けられない戦い。
“中村3兄弟“を筆頭に勝利の雄叫びを上げる
NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン3 第13節、クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、神奈川県厚木市の荻野運動公園陸上競技場にて、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)との入替戦出場を懸けた「絶対に負けられない戦い」を迎える。
石井洋介キャプテンは、「ここ数試合は自分たちのミスで負けているので、残り2試合は練習も含めてコミュニケーションを徹底していきたい」と、チームを鼓舞して決戦に臨む。
今節の注目ポイントは、中村翔、中村匡汰、中村謙吾の『中村3兄弟』だ。
まずは3試合ぶりに戻ってきた中村翔。「自分がキツいときは、チームが良いアタックができているので、テンポを上げて、声を出して、チームにエナジーを与えていきたい」と話す。前回のSA広島戦では、ジェイコブ・アベルにやられてしまっただけに、中村翔がどれだけプレッシャーを掛けられるかがカギとなってくる。
続いて、中村匡汰は、「ラインアウトの安定とスクラムをしっかりと8人で押す。派手なプレーはできないが、泥臭く、前に出たい」と、献身的なプレーでチームを支える。そして、リザーブからの出場となる中村謙吾。「激しく仲間を鼓舞して、インパクトを与えたい。『こいつはやばいな』と、思われるぐらいのプレーをしたい」と、気合いはMAXだ。
そのほか、中村3兄弟とともにチームに欠かせない栗山塁も、この大事な一戦から戻ってくる。「ここ数試合、後半からスクラムのタイミングが合わなくなることが多いので、自分が後半からスクラムでチームに勢いを与えていきたい」。第7節・九州電力キューデンヴォルテクス戦でレッドカードをもらったここ荻野運動公園陸上競技場でリベンジを誓う。
さらにもう一人、この4月に入社したばかりの新和田錬も初キャップをつかみそうだ。「不安よりワクワクが大きい。自分のプレーがどこまで通用するのかを試したい」と、チームに新しい刺激を注入してくれるはずだ。
登録の23名、オールメンバーで勝利の雄叫びを上げ、地元ファンの目の前で入替戦へと駒を進めることができるか。注目の一戦が待っている。
(匂坂俊之/Rugby Cafe)
マツダスカイアクティブズ広島(D3)
必勝を期す一戦。責任と重圧を背負い、キャプテンが”自分の色“でチームを勝利へと導く
マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)にとって、今節のクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)戦は勝利が必要な試合になる。
入替戦に出場できる3位につけるWG昭島と、追いかける4位のSA広島の勝ち点差は『5』。WG昭島の残り試合は今節を含めて2試合で、SA広島は3試合。1試合を多く残しているとはいえ、今節に勝ち点差を詰められなければSA広島が逆転するのはとても難しくなる。
「お互いにとってすごく大事な一戦になる」とにらむ中居智昭ヘッドコーチは、「ポジションごとの争いもすごく良くて、練習の強度も高く保てている」と感じる良好なチーム状態の中で今節の戦略を練った。その上で生まれた策がキャプテンの﨑口銀二朗をスタンドオフで起用する決断だった。
その狙いを中居ヘッドコーチはこう語る。
「チームとしてどこを狙っていくのかを一番理解しているので、﨑口を10番にしてボールを効果的な場所に運んでいきたい。こういう試合はリーダーが重圧を感じて苦しむこともあると思いますけど、いつも『俺のチームだと思って自分の色を出せ』と言っていますし、楽しんでほしいなと思います」
﨑口は大一番に向けて冷静に準備を続けている。
「今季は苦しい戦いが続いて2勝しかしていない中で、まだ入替戦に行ける可能性が残っているのはすごく幸運なこと。まずはこの試合に勝って可能性をつなげていきたい。僕がスタンドオフに入るときはボールを動かしていくことが求められている。その特長を出していきたいです」
大阪桐蔭高校、同志社大学と強豪チームでラグビーを続けてきた﨑口は、勝たないといけないシチュエーションで臨む試合にも慣れている。
「いつもどおりにリラックスして迎えたいと思います。ぜんぜん緊張しないタイプで、最後は『なるようにしかならない!』と開き直りますけど、スタンドオフとしてこういう試合をするのは初めてなんです。大きな責任を感じますね(笑)」
主にスタンドオフでプレーしてきたのは高校2年生までという﨑口が、この大事な試合でスタンドオフとして、どんなプレーを見せていくのかは、とても興味深い見どころとなる。
中居ヘッドコーチは「﨑口の色がより出るゲームになるんじゃないかなと思いますよ」と大きな期待を寄せていた。
(寺田弘幸)