NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第7節
2026年2月21日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 41-47 マツダスカイアクティブズ広島
祝福の光の外で。基準を押し上げる男が迎えた静かなる節目
マツダスカイアクティブズ広島の﨑口銀二朗選手。上のディビジョンに進むためには試合に「出ていないメンバーがどれだけレベルアップできるか」が重要だと語るクリタウォーターガッシュ昭島の栗山塁、北條耕太、中村匡汰が華やかなセレモニーでリーグワン50キャップを祝福される中、静かに同じ節目を迎えたのがマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)の﨑口銀二朗だった。
「50キャップは特に何も気にしていなかったし、思い出に残っている試合もないですね(笑)」
本人はあくまで淡々としている。だが、その存在がSA広島にとって特別であることは、誰もが認めるところだ。ダミアン・カラウナ ヘッドコーチも「このチームに大きな影響を与えている、特別な選手」と信頼を寄せる。
リーグワン開幕当初、チームが低迷した時期にキャプテンとして矢面に立ち、仲間を支え続けてきた﨑口。カラウナ体制へと移行した昨季、SA広島はD3優勝を成し遂げたが、その礎を築いた一人であることは間違いない。そして今季、チームは開幕から無敗を継続。それでも、﨑口の視線はシビアだ。
「競争力はまだ足りない。自分がリザーブに回り、先発ではないチームでプレーするようになって、コミュニケーション量やプレーのスタンダードに差があると、はっきり感じています。いま試合に出ていない選手たちがそこに気づき、『出たい』『追い越したい』という強い熱量で取り組まないといけない」
出場を重ねる選手は実戦の中で手ごたえをつかみ、自信とともに基準を上げていく。しかし﨑口が注目するのは、グラウンドに立てない選手たちの“伸びシロ”だ。
「試合に出場しているメンバーは、結果を実感しながらどんどん伸びていきます。でも、出ていないメンバーは、そこに到達するための差を埋めていかなければなりません。入替戦は、ディビジョン2でシーズンをとおして厳しい戦いを重ねてきたチームとの勝負になります。出ていないメンバーがどれだけレベルアップできるかで、昇格に届くかどうかが決まると思います」
苦しい時間を支え続けてきたキャプテンだからこそ、その言葉は厳しくもまっすぐだ。静かに節目を迎えた男は、チームの未来を見据えて揺るがない。その存在感は確実に、SA広島を前へと押し上げている。
(匂坂俊之)
クリタウォーターガッシュ昭島
クリタウォーターガッシュ昭島の内山将文ヘッドコーチ(右)、中尾泰星キャプテンクリタウォーターガッシュ昭島
内山将文ヘッドコーチ
「多くのファンの皆さまにお越しいただき、ありがとうございました。試合後には中村(匡汰)、北條(耕太)、栗山(塁)の3選手の50キャップをマツダスカイアクティブズ広島の皆さまも含めて祝っていただき、心より感謝しています。試合については、前回よりも戦う姿勢を示すことができ、あと一歩で勝利に手が届く内容でした。ただ、勝ち切れなかったことは大きな反省です。今日はセットピースの安定が一つのポイントでしたが、特にフォワード陣がよくファイトしてくれました。その結果、バックスも比較的優位にプレーできたと思います。ショートウィークになりますが、良かった部分をさらに伸ばし、次節に向けてあらためて見直していきます」
──勝ち切るために必要なことはどんなことでしょうか。
「失点の中には、相手に自陣から長い距離を走られてしまった場面がありました。敵陣に入ったら確実に仕留めること、自陣では粘り強く守ってボールを奪い返し、エリアを取り返すこと。そうした細部の精度をもう一度徹底していくことが必要だと思います」
クリタウォーターガッシュ昭島
中尾泰星キャプテン
「これまで課題に挙がっていた試合開始10分の入りについては、今日はアタックでもディフェンスでも相手より前に出てチャレンジすることができました。後半の立ち上がりも同様にアグレッシブに入れた点は良かったと思います。一方で、敵陣22mに入って得点できずに押し返された場面や、逆に簡単にスコアを許してしまった場面がありました。そうした部分は次戦に向けて改善していきたいです」
──開幕戦以降、勝利がありませんが、今日の敗戦は次につながる内容だったのではないでしょうか。
「先発、リザーブを含め、チームとして確かな収穫はありました。この内容を継続し、クオリティーを落とさないことが大切です。3連戦でコンディション面も厳しくなりますが、しっかり整えて臨みます。次は一度敗れているルリーロ福岡との対戦なので、必ずリベンジしたいと思います」
マツダスカイアクティブズ広島
マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(左)、ノックス クリントン ゲームキャプテンマツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ
「クリタウォーターガッシュ昭島が良いスタートを切り、私たちは追いかける展開でしたが、試合をとおして非常に拮抗した内容でした。フィジカルな好ゲームだったと思います」
──今季最多の41失点。ディフェンスがうまくいかなかった要因はどこにあるのでしょうか。
「セットピースがうまく機能しなかったことが大きいです。レフリーの判断の影響もあったかもしれませんが、それも含めて自分たちの課題です。特にセットピースからのディフェンスには改善点があり、今後修正していきたいと思います」
マツダスカイアクティブズ広島
ノックス クリントン ゲームキャプテン
「特に最初の20分間をうまくコントロールできなかったことが課題です。80分間をとおして非常にフィジカルな試合でしたが、その中でのゲームマネジメントと規律の部分をさらに高める必要があります」
──プレーヤー・オブ・ザ・マッチ受賞についての感想を教えてください。
「受賞できたことはもちろんうれしいです。ただ、自分自身まだまだ成長しなければいけませんし、試合の中でもミスがありました。しっかり振り返って、次の試合に臨みたいと思います。41失点という結果もありますので、ディフェンスではコミュニケーションやオーガナイズの部分をさらに高めていく必要があります。自分自身もタックルや規律の面で、もっと成長していきたいと思います」



























