NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第7節
2025年2月22日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 16-22 マツダスカイアクティブズ広島
「いま、楽しいです」。重圧から解放された“マツダの翼”
3連勝と勢いに乗るクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)が、AGFフィールドにディビジョン3首位を走るマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)を迎えた一戦は、試合前に雪がちらつくほど冷え込んだ中でのキックオフとなった。両チームともチャンスは作るが、仕留め切れないという我慢比べが続いた展開は、後半31分のジャクソン・ピューのトライでようやく勝負あり。SA広島がWG昭島の勢いを止め、首位を堅守した。
この試合で躍動したのは、昨季までキャプテンを務めていた﨑口銀二朗だ。今季はキャプテンを離れ、フルバックとしての仕事に専念。アタックでもディフェンスでも、常にボールの近くに顔を出し、確かな存在感を示している。
「キャプテンをしているときは、自分の言葉一つに、すごく気を遣っていたところがありました。今季は自分のプレーにフォーカスできるようになったのが、いい結果につながっていると思います」
開幕から出場した5試合で連続トライを記録するなど、グラウンドを駆け回る﨑口だが、昨季までのキャプテンとしての経験があるからこそ、ダミアン・カラウナ ヘッドコーチが就任して、SA広島のラグビーが変わってきたことも感じているという。
「選手一人ひとりに明確な役割が与えられているので、みんながそれをしっかりやろうとしています。あとはボールがすごく動くようになりました。昨季までは自分のところにボールが2、3回ぐらいしか回ってこない試合もありましたが、今季はボールがめちゃくちゃ回ってきます(笑)。あとは、お互いのコミュニケーションの質をもっと高くすれば、自然と連係もうまくいって、チームのラグビーのレベルも上がると思います」
責任を担うことで得るものもあれば、重圧から解放されることで取り戻すものもある。「いま、楽しいです」と、話す﨑口の表情はとても穏やかだった。本来の姿を取り戻した“マツダの翼”は、自由に、チームのために走り続ける。
(匂坂俊之/Rugby Cafe)
クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島
ワイクリフ・パールー ヘッドコーチ
「残念な結果でした。簡単にスコアを与えてしまいました。自分たちのつながりがうまくいかなかったと思います。ラインアウトからのアタックでフェーズを重ねることができず、特に後半は自分たちで規律を崩してしまい、相手にプレッシャーを掛けることができませんでした」
──大事な場面でのミスが多かったですが、要因はどこにあるのでしょうか。
「シンプルなプレーができていなかったと思います。コーチから選手たちに役割を与えて、選手はそれをきちんと遂行する。その役割をシンプルにしていくことです。自分にどういうプレーが必要なのかが明らかになれば、気持ちはクリアになると思います。レベルが高くなればなるほど、シンプルなプレーが大事になってくるので、また、コーチと話して考えていきたいです」
クリタウォーターガッシュ昭島
中尾泰星キャプテン
「試合をとおして、今日は規律が守れなかったと思っています。相手に連続してアタックされているときに、我慢できずに自分たちがペナルティをして、相手に優位にアタックされてしまいました。そこからエリアを取られて、しんどい時間が長かったかなと。前後半をとおして攻め込んではいるけれど、フィニッシュのところまでもっていけない。あとは、難しいところではなく、ベーシックなところのミスが多かったです」
──大事な場面でのミスが多かったですが、要因はどこにあるのでしょうか。
「個人的なミスもありますが、流れの部分でのミスが大きいのかなと思っています。今日は試合の入りや、試合をとおしても、自分たちの足が止まっていました。そのぶん、いつもならボールを取れるところが取れなかったり、パスの質が悪かったりすることにつながっているなと。やはり入りから良いラグビーをすることが大事だと思います」
──今後、一貫したラグビーをするために必要なことはどんなことでしょうか。
「プレッシャーが掛かってくればくるほど、小手先だけではなくて、フィジカルとベーシックのスキルのところで勝敗が決まると思います。プレッシャーが強いときにこそ、どうやって前に出られるかを一人ひとりが考えて、しっかりアタックができれば、自分たちのラグビーができると思います」
マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ
「今日はお互いのチームにたくさんの努力が必要だったと感じました。どちらのチームにもミスが多かったですが、われわれはそういうところをもっとうまくコントロールしないといけないと思います。最後の10分のディフェンスは素晴らしかったと思いますが、そうしないといけない状況だったわけで、そうなる前に、(試合を)うまくコントロールしないといけません」
──前節の今季初黒星からどういう準備をしてきましたか。
「クリタウォーターガッシュ昭島は強いチームだと分かっていたので、自分たちの強みを出せるように集中して練習してきました。今日の勝利はうれしいですが、来週の試合に向けて、まだまだ改善点がたくさんあります」
──これからさらに強くなるために必要なことはなんでしょうか。
「ディビジョン2に上がるという将来のことはまだ考えていません。まずは1試合1試合を大事にしていきたいです」
マツダスカイアクティブズ広島
芦田朋輝キャプテン
「予想したとおり、タイトな試合となりました。ウチとしては、前節で負けた理由に、しっかりとフォーカスして準備してきました。自分たちが準備していた役割を遂行することで、僅差にはなりましたが、勝利という結果につながったと思います」
──前節の今季初黒星からどういう準備をしてきましたか。
「前節から1週間をとおして準備を重ねてきました。プレーのクオリティーもコミュニケーションもより高く、すべてのスタンダードを上げるというところを意識してきました」