2024.01.05NTTリーグワン2023-24 第4節 東京SG vs 神戸S-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第4節 カンファレンスA
2024年1月6日(土)14:35 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs コベルコ神戸スティーラーズ

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

心機一転で迎える2024年。
背中と言葉でけん引する堀越康介の生き様

東京サントリーサンゴリアスの堀越康介キャプテン「自分の役割は、チームのマインドセットを引き締めること」

1年の計は初戦にあり。2024年の“蹴り始め”となるNTTジャパンラグビー リーグワン2023-24ディビジョン1第4節。ここまで2勝1敗で3位につける東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)は、4位のコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)を秩父宮ラグビー場に迎えての古豪対決に挑む。

また、2024年になったことで、日本代表もエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ体制が正式にスタート。新たなアピールがここから始まる。その意味で、さらなる奮起を期待したいのが東京SG のキャプテン、HOの堀越康介だ。

ラグビーワールドカップ2023フランス大会では日本代表33名に選ばれながら、出場機会はゼロに終わった堀越。もちろん、仮想敵国を演じる調整役『柱メンバー』として汗を流し、チームの躍進に一役買ったことは知られているが、試合に出られなかったことへの悔しさや葛藤は小さくない。その思いについて、ラグビーワールドカップ2023フランス大会帰国直後に語ってくれたことがある。

「ジェイミー(・ジョセフ ヘッドコーチ)体制で、僕の出場回数は本当に少なかった。でも、出られなかったのはもう、僕の実力。そこは真摯に受け止めて、ここから努力していくべきだと思っています」

堀越の芯の強さは、満足できない結果について人のせいにするのではなく、自分自身にベクトルを向けられることだ。

「人のせいにしたいときももちろんあります。でも、それをしていたら成長しないことは分かっていますし、モチベーションにつながらないですから」

そのストイックな姿勢や目線を、今季はキャプテンとして東京SGの選手たちに向けることを心がけている。

「自分の役割は、チームのマインドセットを引き締めること。長いシーズンでは、なかなかスイッチが入らない選手がどうしても出てしまうもの。そのマインドがチームに蔓延しないように、『俺たちのスタンダードはそこじゃないぞ』としっかり言う係です。戦術的な部分で引っ張ってくれる賢い選手はサンゴリアスにはちゃんといますので、その部分はお任せして、自分はチームのマインドのコアな部分を引っ張っていきたい」

今節対戦する神戸SでHOを務めるのは、2季前まで東京SGでポジション争いを演じた北出卓也だ。堀越自身の成長度合いを図る上で、これ以上ない対戦相手と言える。

2024年を実り多き1年にするため、東京SGを背中と言葉でけん引する堀越康介の“生き様”に要注目だ。

(オグマナオト)

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)

経験豊富な31歳と新進気鋭の24歳。
好関係を築く神戸Sの両翼が実力派に挑む

コベルコ神戸スティーラーズの山下楽平選手「スイッチを切っている相手のスキを突き続けるのが自分のプレースタイル」

コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)の第4節は、秩父宮ラグビー場に乗り込んで東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)と対戦する。開幕2勝1敗と上々のスタートを切った中、新年初戦を勝利で飾り、チームの勢いを作り出したい一戦となる。

経験豊富な31歳と新進気鋭の24歳が、左右の翼をたくましく広げている。

左のウイング、11番を背負う山下楽平。積み上げる膨大な経験を駆使し、ボールを前へ、チームを前へ連れていく。

「ずっと(背丈が)小さい中でラグビーをしてきた。特別、足が速いわけでもないし、サイズで勝てるわけでもない。スイッチを切っている相手のスキを突き続けるのが自分のプレースタイル。それだけは絶対に負けないように。80分間、常にスイッチをオンにしてスキを探し続けています」

右のウイング、14番を背負う松永貫汰は若さみなぎる活発なランを発揮中だ。

「コンディション的にいい感じでやれています。痛いところもけがもないですし、良い準備をしてゲームに臨めているので、そのコンディションの良さをプレーで出せていると思います」

山下楽平は松永貫汰に経験を還元し、そっと見守る。

「単純な1対1のステップワークや、スピード(のレベル)は僕より貫汰のほうが高い。そこはのびのびやってもらうほうがいいと思っています」

松永貫汰は山下楽平のプレーを見つめ、吸収する。

「お手本のようなプレーヤー。ラグビーIQも高くて、ボールを持っていないときの動きなどを主に学んでいます」

対戦する東京SGもまた、左右のウイングには昨季のトライ王・尾崎晟也、南アフリカ代表のチェスリン・コルビという実力派が陣取るが、神戸Sの両ウイングは冷静に見据える。

31歳のウイングは「(相手のウイングには)スピードのある選手がそろっているので、良い状態でボールを持たせないことは大事。いかに相手を背走させられるか」とイメージ。チェスリン・コルビを“参考にしている選手”という24歳のウイングは「体が小さくてもフィジカルで負けない、工夫のある選手。スピードだけじゃなくキックが蹴れ、ゲームメークにも長けている」と警戒し、世界的プレーヤーに堂々と勝負する。

好関係を築く“赤”の両翼が、東の聖地で躍動する準備を整えた。

(小野慶太)


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