NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第5節
2025年1月25日(土)12:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs マツダスカイアクティブズ広島
ルリーロ福岡(D3)
開幕から4連敗と思うような結果を出せていないルリーロ福岡(以下、LR福岡)。その厳しい現状を豊田将万ヘッドコーチは「勝利は簡単ではないとあらためて実感しています。細かいプレーの積み重ねや最後まで全力を尽くすことができなければ、それが傷口となり、ゲーム全体に影響を及ぼすという印象です」と冷静に振り返る。
豊田ヘッドコーチが選手選考で重視するのは、技術や能力だけではない。「勝ちたいという気持ちや、チームのためにあきらめない姿勢を重視しています。私たちは地域を代表するチームとして活動しているため、地元の期待に応える意識をもつ選手を選びたい」と語る。この理念に合致する選手として名前が挙がる一人が、長谷川寛太だ。
長谷川寛太は、LR福岡が練習の際にグラウンドを借用する浮羽究真館高校で教師として勤務しながら、選手としても活動している。同校のラグビー部顧問として指導を行ったあと、LR福岡の練習に参加する日々に「スケジュールはタイトですが慣れてきました」と笑顔で語る。その表情からは、苦労を乗り越えてきた自信と充実感が垣間見える。
2023年7月に教員として働き始めた長谷川は、所属していた宗像サニックスブルースの活動休止を機に新たな道を選んだ。「ラグビーをしながら教員もできる」と聞いたとき、迷いはなかったという。指導にあたっては、時代に即したアプローチを心掛けている。「体で覚えさせる指導は過去のものです。いまは生徒が自ら考え、納得して行動できるような伝え方を意識しています」と語り、「基礎と基本があるから応用ができる」という考え方を徹底している。
指導者としての経験はプレーにも生きている。長谷川寛太は「教えることで自分の理解を再確認できる。生徒の前でプレーすることも多く、言葉だけでなく行動でも示さなければという責任感が自分の成長につながっています」と話す。「試合に出たらセットピースを安定させたい。フィジカルを生かしてゲインラインを突破し、チームに貢献したい」と述べている長谷川寛太は、直近2試合でリザーブから出場を果たしたものの、今節はメンバー外となった。それでも、「生徒たちが応援に来るからこそプレーで応えたい。その使命感が自分のエネルギーになっています。挑戦し続けることの大切さを伝えたい。それが、ラグビーでも勉強でも、成長への道だから」との思いは不変だろう。
長谷川寛太のように、「地元の期待に応える意識をもつ選手」(豊田ヘッドコーチ)が多いのがLR福岡だ。3試合ぶりのホストゲーム、リーグワン初勝利のために、それぞれが“地元への思い”を胸にグラウンドに立つ。
(柚野真也)