2025.04.11[神戸S]歴戦のランナーが迎える100キャップ。ラグビーを楽しむアイデンティティーは不変

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月12日(土)12:00 ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県)
浦安D-Rocks vs コベルコ神戸スティーラーズ

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)

コベルコ神戸スティーラーズの山下楽平選手。「楽しいからずっとラグビーをやってきました」

5位のコベルコ神戸スティーラーズは4月12日(土)、千葉県市原市のゼットエーオリプリスタジアムに乗り込んで浦安D-Rocksと対戦する。前節は首位・東芝ブレイブルーパス東京に大差で敗れただけに、リバウンドメンタリティーを発揮したい一戦だ。

山下楽平──。

2014年8月にファーストキャップを刻んだ彼は今節、ジャパンラグビー トップリーグ・リーグワン通算100キャップの節目を迎える。二度の最多トライゲッターを受賞するなど日本ラグビー界屈指のランナーである33歳が、そのキャリアで大事にしてきたことは何か。その答えは明快だった。

「大きいけがやどうしてもプレーできない状況ならしょうがないですけど、毎日の練習を休まないことです。そのためには準備がとても大切で、常に100%を出せる状態でグラウンドに立つことを意識してきました。それがあることで自分の持っているものをしっかり出すことができます。どれだけいいポテンシャルを持っていても、毎日良いパフォーマンスが出せなければ意味がありません。そこはずっと意識していることです」

シーズンを棒に振る大けがも経験してきた。それを乗り越えてたどり着いた100キャップに「非常にうれしい気持ちではあります」と静かに受け止める。良いパフォーマンスを出せない試合ももちろんあったが、前向きな姿勢は失わなかった。

「楽しいからずっとラグビーをやってきました。『良くなかった』ということは『成長できる』ということ。次の練習でどう改善しようか。できるようにするためにどうすればいいのか。ポジティブなマインドでグラウンドに来て、練習を楽しめています」

楽しむ──。自身のアイデンティティーを示すかのように笑顔で続ける。

「『楽しく、平和に』という意味で名前をつけてもらっていますが、それを小さいころからずっと言われていて、イヤでも自分の名前を見たら『楽しい』っていう漢字が入っているじゃないですか。だから、もしかしたらそれが影響して、すべてにおいて楽しむマインドがついているのかもしれないですね」

大切にしてきた頭と体の準備。栄養面は基本的に夫人のサポートを得てきたという。「『何が食べたい?』と聞かれても、なかなか思いつかないじゃないですか(笑)。そういうときは、大好きな豚の生姜焼き、たまに、カニクリームコロッケ。美味しいです」。歴戦のランナーは照れたように笑った。

伸び盛りの若手も続々と登場しているが、自らのスタンスに変化はない。「若手が頑張って試合に出ることにはうれしい気持ちもありますけど、自分も現役である以上、試合に出てナンボだと思っています」。仲間との最高の結果を求めて最高のパフォーマンスに挑む背番号15。彼は今節もラグビーをとことん楽しむ。

(小野慶太)

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