NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第16節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月27日(日)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
トヨタヴェルブリッツ vs 東京サントリーサンゴリアス
トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

ディビジョン1は残り3節。成績次第ではD1/D2入替戦に回る可能性があるトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)は、前回対戦で30対30という激闘の末に引き分けた東京サントリーサンゴリアスと、東大阪市花園ラグビー場で対戦する。
「残りの3週間で、シーズンを力強く締めくくりたい」と語るのは、イアン・フォスター共同コーチ。ここまでの成績にはとらわれず、今季最高のチームになってフィニッシュすることが選手に課せられたミッションである。
その中で、リーグワンファーストキャップを刻む選手がいる。背番号9で先発する田村魁世。同志社大学からトヨタVに加入して4シーズン目。高校日本代表やU20日本代表にも選出されたことがある若手のホープだ。2023年の夏にはチームの期待を背負い、ニュージーランドへラグビー留学のため派遣されている。
「いつチャンスが巡ってきてもいいようにと心掛けて準備はしてきました。やっとデビューできるということで、いまはすごく楽しみな気持ちです」と、表情を崩す。
ちょうど1年前、田村のメンタルはどん底にあった。それは極めて深刻で、ラグビーを辞めようとさえ考えていたという。ただ、高校の同期やトヨタVのチームメートからたくさんのメッセージをもらい、最悪の事態は避けることができた。「とりあえず目の前のことを全力でやるだけ」。田村は開き直って考えられるようになり、トレーニングに打ち込んだ結果、今季はフィットネスの面でも大きく向上。今節、アーロン・スミスや茂野海人といった実力者を抑え先発に指名された。
「休んでいた期間に支えてくれた人たち、心配してくれたチームメートの思いも背負って頑張りたい。姫野(和樹)さんからも『いつもどおりやれば大丈夫だ』と言われているし、仲間がサポートしてくれる。今までは試合に出場するのが目標でしたけど、いまはここからがスタートだと思っています。プレッシャーもないですし、本当にあとはやるだけです」
レベルの高いチーム内競争を続け、あきらめなかったことで巡ってきた千載一遇のチャンス。“西の聖地・花園”が田村にとって一世一代の大舞台になる。
(斎藤孝一)