2025.12.18[GR東葛]「あきらめないで」。母からの言葉を胸に臨む日本での新たなるチャレンジ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第2節
2025年12月20日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

NECグリーンロケッツ東葛のライリー・ホヘパ選手。「あきらめない」を貫く

ライリー・ホヘパにとって、日本でプレーすることはキャリアの中でも大きな決断だった。

ニュージーランドを離れ、家族とともにまったく異なる環境へ飛び込む。その選択の根底には、ラグビー選手としてだけでなく、一人の人間として「違う人生を経験したい」という強い思いがあった。

「ニュージーランドで長くプレーしてきました。だからこそ、違う場所で文化を学びながら、良いラグビーをしたいと思いました」

初めての日本。言葉も文化も、ラグビーの環境も異なる。だがホヘパは、この挑戦を前向きに受け止めている。スーパーラグビーでプレーしているときから「日本には良い選手がそろっている」ことは理解していた。日本に来て数カ月が経ったが、当初彼が抱いていた印象との違いはなかった。むしろ前節のレッドハリケーンズ大阪戦で初めてリーグワンのステージに立ち、「日本(のラグビー)には速くて、勇敢な選手が多い」とも感じた。その言葉からは新しい環境への敬意がにじむ。

苦しい局面で、彼の支えになっているのは幼少期から胸に刻まれてきた母の「あきらめないで」という言葉であり、ホヘパはラグビーをする上で「あきらめない」ということを貫いてきた。それは試合の苦しい状況だけではなく、日々のトレーニングにおいても然り。フィットネスに限界が近づき、「もう耐えられないと感じても、その先に何かがあると思ってきた」と絶対にあきらめることはしなかった。

スーパーラグビーで積み重ねてきた経験は、日本でも変わらず彼の軸となっている。自分の役割を理解し、冷静にプレーし、周囲を助ける。そのスタンスは明確だ。

「自分の経験をチームに渡したい。まずは勝利をもたらしたいです」

今季のNECグリーンロケッツ東葛の目標は、ディビジョン2優勝、そして入替戦を制してディビジョン1に昇格すること。その挑戦の真っ只中で、ホヘパはグラウンドの内外で存在感を放ち始めている。選手やスタッフだけでなく、地域の人々との交流を大切にし、日本で意味のある“つながり”を築いていくことも、彼が日本でプレーするモチベーションとなっている。

異国の地で始まった新たな章。

母の言葉を胸に刻みながら、ホヘパは今日も前を向いて走り続けている。

(鈴木潤)

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