2026.04.24[GR東葛]チームを支えてきた男の決断とクラブの転換点。その思いを継承し、最高の花道へ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第12節
2026年4月25日(土)13:00 サンディスクスタジアムきたかみ (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

NECグリーンロケッツ東葛の瀧澤直選手。そのラストシーズンもエンディングが近い

4月15日、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、瀧澤直の今季限りでの現役引退を発表した。在籍17年、GR東葛通算163キャップ。長らくチームを支えてきた男の決断は、GR東葛にとって一つの時代の節目を意味する。

そして来季からチームはJR東日本へ譲渡される。つまり、GR東葛として戦うのは今季が最後だ。そのラストシーズンで、長年チームを体現してきた瀧澤がスパイクを脱ぐ。チームの歴史が大きく動くタイミングであることは間違いない。

ただ、選手たちの言葉を聞くと、瀧澤が示してきたものは、脈々と後進に受け継がれている。日々の姿勢、仲間への気配り、そしてチームを思う心。その“グリーンロケッツ魂”は、確実に次の世代に受け継がれ、彼らによって次のステージへ紡がれていく。

大澤蓮は、練習場で見てきた瀧澤の背中をこう語る。

「若手のやるメニューをそのまま僕らと一緒にやるので、すごいと思っています。練習では誰よりも楽しんでいますし、誰よりも周りを鼓舞しています」

朝早くクラブハウスに入り、汗を流し、若手と同じ強度で体を追い込む。その上で周囲を明るくし、空気を前向きに変える。ベテランでありながら、誰よりもエネルギッシュにチームを動かしてきた。

亀井亮依が口にしたのは、瀧澤の“見えない仕事”だった。

「自分のこと以上に、チームを俯瞰して見ているんです。悩んでいる子に一言掛けたり、陰ながらチームを支えている。そういう存在はチームには絶対に必要なんです」

メンバー、メンバー外、若手、ベテラン。シーズンが進めば、それぞれが異なる感情を抱える。その機微を察知し、必要な言葉を掛ける。数字には残らないが、勝負の世界で欠かせない役割を瀧澤は自然体で担ってきた。

小幡将己は、その影響力を率直に語っている。

「タッキーさん(瀧澤)が手を抜かずに練習をやっている姿を見ると、俺もやらなきゃと思います」

さらに、小幡はこう続けた。

「フォア・ザ・チームで、一貫性をもって取り組む。そこは自分たちが受け継がなくてはいけないところだと思います」

時にはプレーで、時には言葉で、時には行動で示し続けてきた。その積み重ねは、後輩たちに多大な刺激を与え、彼らの意識を変えてきた。

迎える今節は日本製鉄釜石シーウェイブス戦。今季、残された試合は今節を含めて3試合。瀧澤が歩んできた17年の歴史に、最高の花道を用意するためにも、チームが示すべきものは明確だ。受け継いだ思いを勝利という結果に変え、最後まで戦い抜くこと。GR東葛としてのラストシーズン、その締めくくりにふさわしい時間は、まだここから作れる。

(鈴木潤)

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