2026.04.03[GR東葛]“ラストシーズン”で初の“タッキー”。変化を受け入れる覚悟と、積み重ねた16年への敬意

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第10節
2026年4月4日(土)12:00 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 九州電力キューデンヴォルテクス

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

NECグリーンロケッツ東葛を象徴する存在、瀧澤直選手が今シーズン初めて試合メンバーに登録された

NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)のチーム最年長にして、在籍年数最長の瀧澤直が、今季初のメンバー入りを果たした。GR東葛の歴史を体現する彼が名を連ねるだけでも十分にドラマになるが、この一戦は瀧澤にとってこれまでとは少し違った意味をもつ。リーグワンでの登録名は『瀧澤直』だが今季のホストゲームに限り、メンバー発表などのアナウンスでは「タッキー」と呼ばれる。16年にも及ぶキャリアの中で、初めて“タッキー”として迎える試合になるのだ。

「ずっとやってみたかったんですよ」

瀧澤はそう言って、少し照れたように笑った。これまではタイミングなど、さまざまな理由で実現しなかったが、来季からクラブがJR東日本へ譲渡されることを受け、“NECグリーンロケッツ東葛”として戦う最後のシーズンとなる。そういった背景を受けて「やるなら今季だと思いました」と、その思いを形にした。

瀧澤のキャリアは決して順風満帆ではなかった。大学時代、一度はGR東葛の前身であるNECグリーンロケッツからの誘いを断り、ラグビーから離れる決断を下した。それでも細谷直(現AZ-COM丸和MOMOTARO’S GM兼監督)の「1年待つ」という言葉を思い出し、再びラグビーの道へ戻った。そこから気づけば16年。「恩返しの繰り返しでここまで来た」と笑うが、その積み重ねこそが、彼をチームの象徴たらしめている。

来季からクラブは新たな体制へと移行する。だが、我孫子の練習場も、柏の葉公園総合競技場がホストスタジアムであることも変わらない。「新しい歴史を作るべきだとは思いますけど、そこにプラスアルファとして過去の歴史も付いてくるのは良いことだと思います」。その言葉には、変化を受け入れる覚悟と、積み重ねてきた時間への敬意がにじむ。長くこの場所で戦ってきた者だからこそ、自然に口をついて出る言葉だ。そして迎える今季初のメンバー入りにも、強い思いを込める。

「けがで試合に出られない選手、ずっと練習していてもなかなかチャンスが来ない選手、メンバー外で頑張っている選手。そういう選手にも、チャンスは巡ってくる。そのときにしっかりやろうというのを見せる試合になればいいと思います」

ひたむきに日々の練習を積み重ねてきた選手の言葉には、特別な重みがある。そしてもう一つ、この日のグラウンドでは、冒頭でも述べたとおり瀧澤は愛称で呼ばれることになる。

“タッキー”。

長い時間を掛けて辿り着いたその呼び名が、どんな瞬間に響くのか。それはきっと、これまでの16年とチームの未来をつなぐ、一つの記憶になるに違いない。

(鈴木潤)

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