NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第10節(交流戦)
2026年3月1日(日)13:30 たけびしスタジアム京都 (京都府)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs トヨタヴェルブリッツ
トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)
復活の兆しが見えてきた。前々節、首位を走っていた埼玉パナソニックワイルドナイツと接戦を演じ、前節は昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京から開幕戦以来となる2勝目を挙げた。どん底に沈んでいたトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)に何があったのだろうか。
もちろん戦術面の変更が奏功していることもあるが、選手たちのメンタル面の変化が大きい。そのきっかけになったのは11位と12位の対戦だった横浜キヤノンイーグルス戦で敗れた翌週の練習初日。キャプテンの姫野和樹は選手だけを集めてミーティングを開いた。
帝京大学の後輩でもある奥井章仁はそのときの様子を次のように語る。
「姫さんはずっとトヨタVを背負ってきた人で、僕らが思っている数倍のプレッシャーを抱えていたと思います。これまではそういう弱みを見せないタイプでしたけど、あのミーティングでは姫さんの人間味の部分を見せてくれた。だから僕らがもっと頑張って、姫さんが100%のプレーをできるようにしようと。それですごくバランスが良くなったと思います」
2017年、トヨタVに入団してすぐに姫野はキャプテンを任され、以来その重圧の掛かる役割を引き受け続けている。過去にもリーダー候補はたくさんいたが、最終的には姫野に頼らざるを得ない状況だった。今季はメンバーもそろい、“古豪復活”の準備はできていたはず。しかし連敗が続き、練習中の表情も徐々に険しくなっていった。そして周囲も彼のメンタルが壊れてしまうのではないかと危惧していたタイミングで、キャプテンは自ら勇気を持ってSOSのサインをチームメートに出した。
全体練習終了後、毎日のように姫野は奥井や同じく帝京大学出身の青木恵斗を連れ立って個人練習をする。タックルやスティールのやり方だけでなく、自分の持っているものすべてを分け与えるように。
クラブハウスに引きあげるタイミングで二人について聞くと、姫野は「頼りになる後輩ですよ」と、ひときわ笑顔になった。
奥井は言う。「姫さんとトップ6に入って一緒に上を目指したい。もう負けられないですね」。もう姫野を一人にさせず、みんなで重圧を分け合いながら勝利を目指していく。
(斎藤孝一)



























