2026.03.20[GR東葛]二つの顔を持つプロップ。“スクラム”と“発信”にこだわる選手兼広報

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年3月22日(日)13:00 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

サポートに向かうNECグリーンロケッツ東葛の黄世邏選手。今節は17番でリザーブから出場予定

7日に開催された日野レッドドルフィンズ戦。NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)の黄世邏は、待望のリーグワン初トライを記録した。試合後、CREW(GR東葛ファンの総称)からは「おめでとう」と声を掛けられ、そこでようやく初トライの実感が湧いたという。

前節の勝利に貢献した入団1年目の若者は、実は“選手兼広報”という立場にある珍しい存在でもあるのだ。グラウンドではプロップとして体を張りながら、チームの魅力を外に発信する広報の業務も担っている。

昨年1月にアーリーエントリーでチームに加わり、入社当初は地域連携の部署に配属された。状況が変わったのは、前任の広報担当者の退職だった。

「7月か8月だったと思います。前任の方が退職されるということで、1カ月間引き継ぎをしてもらい、そのまま広報になりました」

現在は、ファン向けメルマガのコラム『しゃべらセラ』の執筆をはじめ、つくばエクスプレスの広報誌や、ホストエリアである松戸市のフリーペーパーへの寄稿など、業務は多岐にわたる。「どうやったら多くの人に見てもらえるか、毎回考えています」と思考を巡らせ、広報の仕事に向き合う難しさを感じながらも、少しずつ形にしてきた。

それでもグラウンドに立てば、「ラグビーのときは、しっかりとプレーに集中しています」と言い切るとおり、意識は完全に切り替わる。選手としての責務を忘れることはない。

今節は、降雪により開催延期になった日本製鉄釜石シーウェイブス戦が行われる。連勝に向けて、黄世邏は静かに闘志を燃やす。

「同じポジションには尊敬できる選手ばかり。その中で競争に勝って、出たらセットピースやハードワークでチームの勝利に貢献したい」

さらにプロップとしての矜持だろう、「トライを取ったとしてもスクラムが良くなかったらまったくうれしくない。逆にスクラムが良ければ、チームに貢献できたという感覚があります」。その言葉には、役割を全うしようとする覚悟がうかがえる。

前節の初トライという結果を手にしながらも、視線は次へ向かう。選手兼広報として、グラウンド上のプレーと広報活動、その両輪を回しながら、黄世邏はチームの“いま”を体現していく。

(鈴木潤)

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