NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第10節
2026年3月28日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs ルリーロ福岡
ルリーロ福岡(D3)
接点で勝負を決める男である──。ルリーロ福岡(LR福岡)の小原稜生は、ブレイクダウンの攻防で存在感を放つスペシャリストだ。32歳とベテランの域に入りながらも、そのプレーには衰えの気配はない。むしろ経験を重ねたことで、状況を俯瞰する冷静さと体をぶつけ続ける闘争心が同居する。「体のぶつけ合いでは誰よりも前に出る」。その言葉が、いまの自分を象徴している。
京都府出身。幼いころからラグビー好きの祖父に連れられ、正月は東大阪市花園ラグビー場で全国高校大会を観戦するのが恒例だった。4歳でラグビースクールに入ったが、中学にラグビー部がなく、柔道に打ち込んだ。この経験はいまも生きており、相手の重心を崩し、力の方向を見極める感覚は、タックルやブレイクダウンの場面で力の掛かり具合や、相手の重心をコントロールする技につなげている。
京都成章高等学校で再び楕円球を追い、立命館大学では主将を務めた。「一番体を張る」。自らに課した基準は、その後も変わらない。豊田自動織機シャトルズ愛知では、体格差という壁に直面した。だからこそ工夫した。ポジショニング、入りの速さ、コンタクトの角度。サイズで劣るぶん、判断と技術で上回る。その積み重ねが、現在のプレースタイルを形作っている。
2023年、LR福岡に加入。新しく、頑張っているチームに惹かれたことに加えて、福岡には大学時代の友人が多く、県民性や食事の魅力も後押しした。現在は福岡県のブランド牛『博多和牛』の牛舎で働きながらプレーを続ける日々だ。ラグビーについて「かめばかむほど味が出る。奥が深くて難しく、ずっと勉強をしなければならない。そこが面白い」と語る。その言葉どおり、経験は研ぎ澄まされ、チームに還元されている。豊田将万ヘッドコーチも「経験の質が違う」と信頼を寄せる。
今節は首位マツダスカイアクティブズ広島との一戦。「接点でどれだけ戦えるか。そこにこだわりたい」。小原の視線は明確だ。ブレイクダウンで一歩前に出る。その積み重ねこそが、勝負の流れを引き寄せる。全員の意識を束ね、最前線で体を張る覚悟がある。経験と闘志をまとった男が、再びグラウンドで火花を散らす。
(坂本陽子)



























