NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第10節
2026年3月29日(日)14:30 川越運動公園陸上競技場 (埼玉県)
狭山セコムラガッツ vs 中国電力レッドレグリオンズ
中国電力レッドレグリオンズ(D3)
中国電力レッドレグリオンズの森田政彰選手。「僕はこの緊急事態のメンバーだからこそ勝ちたい気持ちがめっちゃ強いです」中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)の森田政彰が「あきらめないことの大切さ」を学んだのは高校生のときだ。
「試合で僕のパスを受けた選手がノックフォワードして、そのボールが相手にわたってそのまま独走トライをされたとき、僕はもう追い掛けなかったんですよ。僕の中では『こんなパス落とすなよ』と思ったけど、監督からは『なんであきらめるんや!』って言われて、落とした当事者ではなく、追い掛けなかった僕がすごく怒られました。監督からは試合から退くように言われて、それでも僕は続けようと思ったんですけど、先輩たちからも引っ張り出されて。そこからは、どんなときもあきらめずに全力を出し切ることを常日頃から心掛けています」
3月22日のルリーロ福岡(以下、LR福岡)戦、6点差で迎えた試合終了間際だった。味方のペナルティゴールのチャンス。このとき森田の頭には、21点差をつけながら怒とうの追い上げを許して引き分けたLR福岡との前回対戦がよぎっていた。
「今回も簡単には勝てないだろうなと思っていましたし、キックが外れた時点で、もしかしたら何かあるかもと思っていました。なので、本来なら僕はもっと前にいるはずですけど、どこにボールが飛んでもカバーできるように後ろにポジショニングしていました」
味方のキックが惜しくも外れると、相手ボールになりハイキックのこぼれ球を収めたLR福岡のアマナキ・リサラに突破された。逆転負けもある絶体絶命のピンチに、34歳のセンターが激走した。決して足が速いほうではない。追い付く自信もあまりなかったというが、それでも「追い付かないといけない」と強い気持ちで懸命に走った。
166cm84kgの森田と相手選手とでは22cm14kg差。体格では劣っていたが、自分の間合いに入れば、「あとはスピードに乗って思いっきり体をぶつけるだけ」だった。渾身のタックルで食らい付き、トライエリア目前で相手をタッチライン外に押し出して劇的な幕切れ。森田の最後まであきらめないプレーが今季2勝目へとチームを導いた。
今季の中国RRは第9節を終えて2勝1分6敗の最下位。接戦で勝ち切れない試合も多く、苦しい日々が続いていた。負傷者も続出しており、前節のLR福岡戦はフォワードが本職の選手がバックスでプレーしなければいけない緊急事態だった。
そんな厳しい状況の中で勝利を呼び込んだベテランの全力プレーはチームをまた前進させるはずだ。岩戸博和監督は、「チームに足りていないものを教えてもらったようなシーンでした」と振り返り、「負けが続いてしんどかったですけど、チームも一つ勝つと前向きになりますし、雰囲気も変わります」と明かす。
今節は2位の狭山セコムラガッツとのビジターゲーム。厳しいチーム状況は変わらないが、引き続きスタメンに入った森田は、「チーム全体のレベルアップのためにも、僕はこの緊急事態のメンバーだからこそ勝ちたい気持ちがめっちゃ強いです」とますます気合いを入れる。
どんなときでも常に全力でプレーし続ける。森田にあきらめるという選択肢はない。
(湊昂大)



























