2026.04.03[埼玉WK]長い歳月の中で芽生えた意識の変化。『HEART』を燃やす男が3年ぶりの出場へ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月4日(土)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 横浜キヤノンイーグルス

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)

「積み重ねてきたものを、ここで出したい」。3年ぶりのリーグワン、埼玉パナソニックワイルドナイツの宮川智海(みやかわともひと)選手(©埼玉パナソニックワイルドナイツ)

3年ぶりに、その名がコールされる。

リーグワンの舞台に戻ってくるのは、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)の宮川智海だ。

リーグワン初年度の2022年4月。宮川は、自身のリーグワン初出場となった試合中に負傷した。左足首の開放骨折という大けがだった。後日、同じ試合に出場していた仲間から「骨がソックスを突き破っていた」と聞かされたという。そうした後日談でしか状況を知り得なかったのは、本人が激しい痛みに襲われ、ドクターヘリで搬送された記憶さえ曖昧だったからだ。

それでも回復は驚異的だった。わずか2カ月後には自力で歩行。同年のプレーオフトーナメント決勝戦では国立競技場を歩いていたという。そして翌シーズンのチーム始動時には、練習に参加できる状態まで回復していた。

2022-23シーズンでもリーグワンでの出場機会を手にした宮川だったが、その後は時間が空く。背番号入りのファーストジャージーを再び手にするまでに、3年の歳月を要した。

宮川は言う。

「若いころは『どうすれば試合に出られるのか』と、自分にばかり矢印を向けていました。でも、試合に出られない時間を過ごす中で、『チームのために何ができるのか』を考えるようになりました。それが一番の変化でした」

埼玉WKでは今季、試合に出るメンバーを『HEAD(ヘッド)』、ノンメンバーを『HEART(ハート)』と呼ぶ。対戦相手の分析やプレーの再現。HEADが勝つための準備を、裏側から支えるのがHEARTの役割の一つだ。

「試合には出られなくても、HEARTとしてやるべきことをしっかりやる」

個人ファーストからチームファーストへ。その意識の変化は、次第にプレーにも表れていった。

そうして手繰り寄せた、3年ぶりのリーグワンの舞台。30代になって初めてのキャップを迎える。

だからいま、意識するのは対戦相手ではない。同じ『HEART』として苦しさや悔しさを共有してきた仲間たちの存在だ。

本堂杏虎に島根一磨、木原優作。ともに『HEART』で切磋琢磨してきた仲間が、今季リーグワンで結果を残す姿に、強い刺激を受けてきた。

だから次は、自分も。「積み重ねてきたものを、ここで出したい」と言った。

「ダサいところは見せられないですね!」

そう言って見せた笑顔の奥に、覚悟を秘めた。

(原田友莉子)

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