2026.05.09[WG昭島]「自分たちで考え」続けた1年。最終戦で担うキャプテンの使命

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第15節
2026年5月10日(日)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ vs クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

必要なのは特別な変化ではないと、クリタウォーターガッシュ昭島の中尾泰星キャプテンは言う。それは──

中国電力レッドレグリオンズとの今季最終戦を前に、2年連続でキャプテンを務めた中尾泰星は「長かった」という一言に今季のすべてを込めた。その短い言葉には、充実感と悔しさ、そして確かな手ごたえが交錯している。

新たに内山将文ヘッドコーチを迎えた今季は、決して平坦な道のりではなかった。しかし同時に、チームにとっては確かな転換点となる1年でもあった。象徴的だったのは、「自分たちで考える」姿勢の芽生えだ。従来のように与えられた役割を遂行するだけではなく、特にフォワードを中心にスクラムの組み方や接点での戦い方について選手同士が議論を重ねた。「こうしていこう」と試行錯誤を繰り返す日々は、チームの土台そのものを確実に変えつつある。

ただし、その変化はすぐに結果へとは結びつかなかった。開幕戦で白星を挙げたあとは6連敗。接戦を取り切れない試合も続いた。中尾自身も「納得できるプレーは多くなかった。運動量やディフェンス面、とりわけタックルやスティールではもっとできたはず」と悔しさをにじませる。今季をとおして浮かび上がった課題は明確だ。ディビジョン3全体のレベルが上がる中で、1対1のコンタクト、スピード、判断といった個の局面での差は確実に広がっている。加えて、敵陣深くまで侵入しながらミスで好機を逸する場面も多かった。

一方で、上位チームに共通するのは戦い方の一貫性だ。状況が変わっても揺るがない判断基準と、それを遂行し切る力。その積み重ねが、細部の差として試合の随所に表れていた。それでも中尾は「どうしようもない差ではない」と言い切る。必要なのは特別な変化ではなく、接点での一歩、タックルの精度、判断の一瞬といった細部の積み重ねであり、それがあれば景色は変えられると彼は信じている。

すべてを懸ける最終戦。今季でチームを去る仲間の思いも背負いながら、「必ず勝って終わる」。その言葉どおり、積み上げてきたものを出し切り、来季へとつなげる。それがキャプテン中尾泰星の使命だ。

(匂坂俊之)

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