クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

合言葉は『ビッグマック』。強化中のスクラムで優位に立ち初勝利をつかむ

開幕戦となる第2節の九州電力キューデンヴォルテクス戦を34対43で落としたクリタウォーターガッシュ昭島の第3節は、マツダスカイアクティブズ広島をAGFフィールドに迎えてのホストゲーム初戦。なんとしてもファンに今季初勝利を届けたい。

キャプテンの石井洋介は、「前半最後の10分、後半最初の10分が、相手の時間になってしまった。タックルのミスが多く、一人目のタックラーが肩を当て切れなかった」と、前節の敗戦を振り返り、「この1週間は1対1のタックル練習を強化してきた」と、力を込める。

一方で収穫はスクラム、ラインアウトからトライが取れていること。4日の練習でも山村亮フォワードコーチを中心に、マツダスカイアクティブズ広島のスクラム、ラインアウトの特徴を徹底分析。山村フォワードコーチの各個人への的確なアドバイスにより、個人のスキルが強化され、チーム全体のスクラムが強化されていく。良い循環でスクラム、ラインアウトの強化が進んでいることがうかがえる。得意なアタックのパターンだけに、単純なペナルティを減らしていけばチャンスは広がるはずだ。

そのスクラム、ラインアウトで重要になるのが、フッカーである栗原良多の存在だ。「一本一本のスクラムに情熱をもって取り組んでいます。特に各自がフォカースしないといけないことを思い出すために、『ビッグマック』というワードをつくって、フォワード陣全体を鼓舞しています」と栗原。世界中、どこで食べても同じクオリティーが保たれている商品に、「いつでも同じプレーをしよう」という意味を込めた。栗原は、スロワーを務めるラインアウトについて「まっすぐ投げるだけ」と、やるべきことをシンプルに話した。栗原のプレーが、クリタウォーターガッシュ昭島の勝利のカギを握っている。

石井、栗原ともに「ミスを減らして、勝ちにこだわってプレーしたい」と話している。フォワード陣がスクラム、ラインアウトで優位に立ち、そこからチャンスをつくり、バックス陣に良い形でボールをつなぐ──。ホストゲーム初戦で今季勝利を飾り、最高の形で2023年をスタートさせることができるか。合言葉は、「ビッグマック」!

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

クリタウォーターガッシュ昭島はスクラム、ラインアウトに手応え

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

問われるリバウンドメンタリティー。出した答えは、しゃべり、伝え合うこと

開幕戦で中国電力レッドレグリオンズに敗れたショックは大きなものだった。

韓国代表でもプレーする経験豊富な李修平は、こう振り返っている。

「試合が終わったあとは本当に悔しかったですし、怒りの感情も湧いてきた。個人的にも何もできなかったし、過去に経験したことのない試合展開だった。試合中にどうにかしようと思ってみんなで話し合っていたんですけど、自分たちのやりたいラグビーをできなかった。まだまだ実力不足だなと感じました」

準備してきたことができなかった非常に悔しい敗戦から立ち直るため、まず全員で敗戦を受け入れることから始めたと大内空は言う。

「開幕戦が終わったあとは何とも言えない感情になりましたし、立ち直るのにはちょっと時間がかかりました。次の1週間はそれぞれが開幕戦を見つめ直す期間だったと思いますし、次の週からはクリタウォーターガッシュ昭島戦に向けてどうやっていくかを話し合ってきましたけど、やるべきことは自分たちの中でも明確になってきています。一つはコミュニケーションを取ることです」

お互いに何をやりたいのかを伝え合おう──。

もっともっと、しゃべろう──。

コミュニケーションの重要性を再認識したことで練習の士気も高まった。だから大内空も前向きな気持ちでクリタウォーターガッシュ昭島戦を睨んでいる。

「チームみんなですごく良い練習ができています。だから、あとは練習でやってきたことを試合に出せるか。前を向いて本当に勝つ気で臨んでいきたいと思います」

坂本秀彰総監督は“2試合目”に臨む選手たちのリバウンドメンタリティーを楽しみにしていた。

「初戦に負けたあとの修正が3週間でどれだけできているか。チームの真価が問われる試合になると思います。正月休みも含めて、どんなメンタリティーでこの期間を過ごしてきたのかがグラウンドの上に出ると思うので、そういった意味でも非常に楽しみ」

マツダスカイアクティブズ広島はみんなで一丸となって相手にぶつかっていく。

(寺田弘幸)

マツダスカイアクティブズ広島の李修平選手

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