2025.04.04[S東京ベイ]エディーHCの言葉で得た気づき。“猛獣使い”の藤原忍が、秩父宮で華麗に躍る

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月6日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)

日本代表での経験が活きているというクボタスピアーズ船橋・東京ベイの藤原忍選手

時に声を張り上げ自軍のスクラムを狂瀾怒濤の勢いへと駆り立て、時にマルコム・マークスやオペティ・ヘルといった屈強なフォワード陣へ、まるで手綱を操るように素早いテンポでボールを供給する。その姿は荒ぶる獣たちを自在に操る猛獣使いのようである。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイの主力スクラムハーフ、藤原忍は昨年、初めて日本代表に招集された。6月22日、国立競技場でのイングランド代表戦で日本代表初キャップ。リーグワンとは異なる強度の戦いに身を置き、藤原は本領を発揮できずに焦燥感を募らせていた。

「エディーさん(エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ)からは『いろいろ考え過ぎて、自分の持ち味を発揮できていない』と。フォーカスすべき点を一つ、二つに絞るように言われました」

それまでは集中すべきポイントが多岐にわたり、優先順位がぼやけていたと自身を顧みる。視界がクリアになり、落ち着きを取り戻した藤原にとって、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチのこの言葉は新たな気づきとなった。

「『9番は15人の中でボスにならないとダメだ』『9人目のフォワードになれ』と」

それはまさに百獣を統率するための心得。昨年は日本代表として10試合を経験し、パシフィックネーションズカップ2024や10月のオールブラックス(ニュージーランド代表)戦では9番を託された。いつしか藤原は、エディー・ジャパンが掲げる“超速ラグビー”の申し子と呼ばれるようになる。

「(代表活動の)後半になるころには、自分の中ですごく落ち着けるようになりました。リーグワンのこのシーズンも、落ち着いた状態で臨めているという実感があります」

今季はフォーカスポイントを絞ることで自身の果たすべきタスクがより明確になり、プレーの質にさらに磨きがかかる。シーズンは終盤戦に突入。今節はビジターゲームでブラックラムズ東京と対峙する。チームが好調を維持する中、藤原は「気を抜くことなく、チームがよくなるためにしっかりと頑張っていきたい」と静かに、しかし力強く意気込みを口にした。

経験は、戦士をより強くする鎧となる。秩父宮で、猛獣使いが華麗に躍る。

(藤本かずまさ)

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